その仕組みは本当に必要ですか?という問いをつらつら考える

2009.11.29

経営・マネジメント

その仕組みは本当に必要ですか?という問いをつらつら考える

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

仕組み化することはいいことだ!と思っている人がいっぱいいるような気がする今日この頃。仕組みが本当に必要な場合の判断ってなんだろう?を考えてみます。

 いいですか?文章にすると、それを読むと当たり前に感じるかもしれませんが、多くの人は、費用対効果のある仕組みの構築ができません・・・。

 だから、わざわざBPRやら業務改革やらのプロジェクトがあったりするんですね。

 しかも、大規模な仕組みになると、人の認識範囲をはるかに超えてしまうので、わけがわからなくなる。

 それぐらいの規模感での仕組みをいじって、うまく効果を作り出して、費用を吸収できるようにできると、すごく価値がある。

 みかんを1つしか売らないのに、仕組みがどうとか、そういうことを言う人は、まあ、試してみたいんでしょうね。認識範囲が小さくて済む仕組みなんて簡単です。費用対効果のない仕組みはもっと簡単です。

 まわせばまわすほど損をする仕組みを組んで喜んでいる人はやまほどいますよね。赤字の会社はそういう仕組みの中にあります。

 そういう仕組みの会社が、「IT化しよう!」と効率を上げると赤字が拡大したりします。

 よくあります。

 会社は自己満足のためにやってもいいですけど、キャッシュが出てくるようにしないと継続できませんよね。よく言う持続可能性、サステイナビリティです。

 持続可能というのは、エコエコしたコンセプトですが、社会システムの持続可能性を問題にしています。

 会社を黒字で組めないような人が環境の持続可能性について語っていたりすると失笑します。いや、あなたの会社の規模感で黒字にできないということは、社会全体で何かを狙って仕組みを組めないでしょ?と。

 それを語るより、自社を黒字にすれば?と。

 仕組みが組めなくて、具体に逃げる人もいます。

 いや、具体から始めること自体は悪くないんですよ。ゴミを拾いましょう。ゴミを出す量を減らしましょう。モノを大事にしましょう。その具体のアクションがあるから、全体の持続可能性を考えられる。

 それはそれでいいのです。その具体の活動から、全体の仕組みを想像して作ってみることは、基本です。

 でも、マーケティング領域では意外と具体は嫌われます。

 隣の人にまず売ってみる。おすすめしてみる。俗に言う「営業」です。

 この具体的営業活動を、自動的に大量にキャッシュはプラスで作るために仕組みを組んだりするんですけどね。

 まわりにいる人におすすめして、売れない人がマーケティングを語ってもね、と思います。

 仕組み仕組みと言う前に、マーケマーケと言う前に、周りの人に売れますか?

 その上で、費用対効果を考えられますか?

 と、つらつらと批判的に書きましたが、いかがでしょう?

 企画が重視される時代ではありますが、エグゼキューションできないと、企画してもリアルじゃないですよね。バチュラー上がりで昇進してしまったパートナーは大成しないというのもそうですよね?

 では、今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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