「未来から逆算する」を改めて考える

2009.09.14

経営・マネジメント

「未来から逆算する」を改めて考える

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

望む未来を描いてから、今何をすべきか?今の出来事の意味合いは何か?を考えるというのは、言われて久しいのですが、本意を本当に理解するのは難しいと思います。今日はそのあたりを書こうと思います。

 未来からの逆算。

 プロ野球で言うと、西武の森監督が書いた本にだいぶ前に書いてあった気がします。学生の頃に読んだような。

 優勝するという未来を描いて、そこにいたるためにはどういうプロセスを経ればいいのか?を考え、今、何をすべきか?を考える。

 今ではけっこう常識ですね。未来を創り出したい時には、そこからはじめます。

 これと対極の考え方が、現状の延長で未来を作る考え方です。

 過去にこうで、今こうだから、将来こうなる!というような。

 でも、そうすると、現状とさして変わらない未来になってしまうのですね。

 まあ、今がよくて、それと変わらないでいればいい時は、それでいいのではないか、とも思います。

 いわゆる改善発想に近いですよね。

 今、儲かっている会社が、改善、改善、とやる分にはいいのでしょう。きっと。

 利益率を上げていくような活動にはいいでしょうね。

 でもね、今、儲かってない会社が、改善、改善とやって、コスト削減しようとしても、効果は薄そうですね・・・。根本がまずい場合は改善発想ではどうにもなりませんね・・・。

 あと、新規の事業を考えようとした時、今の事業の延長上で考えても、あんまり、というところでしょう。

 まあ、アンゾフの成長マトリクスもありますけどね。あそこから発想していってアイデアが浮かぶか?というとなんともね。

 何度も書いていますが、結果から物事を見ると、その結果は必然に見える。

 例えば、ある結果Aから事実を見たとします。1つの必然的な流れのように感じます。

 でも、違った結果Bがまた生じたとしましょう。その結果をサポートする事実が、また浮かび上がってくる。

 この2つの結果をサポートする事実が同じだったとして、全く違う見え方をするんですね。

 違う関係性の中から、事実を見ようとしているからです。

 このことから言えるのは何か?といえば、Aという結果を見る目で、未来を見ても、Aという結果から見た関係性から離れたものを見ることはできません。

 分からない人には伝わりにくいので、私はこういうことを伝える時には「遊び」的なワークをやります。

 まず、ランダムに全く違う未来を描きます。なんでもいいから、荒唐無稽な未来を描いてくれ、と。

 で、その未来から、Aという結果をもたらしている事実を眺めるとどうなるか?

 まあ、やってみてのお楽しみですが、結果から言うと、どんな荒唐無稽な未来でも、そこにつなごうとすると、事実をつむいでいくことはできる。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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