「研修なんて効果あんのかいな?」と考える前に・・・。

2009.05.25

組織・人材

「研修なんて効果あんのかいな?」と考える前に・・・。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

人材育成において、考えるべき3つのポイント。

「テストも問題集も、出来るかどうかを試す(把握する)ことくらいしか意味がないのであって、大切なのは出来ないことが分かってからの行動である。」というのは、よく知る進学指導のプロの言葉。テストでいい点をとったことは、出来ないことがあまり発見できなかったという点において残念な結果であり、テストの点が悪かったことは、“後でそれを習得するなら”沢山の出来ないことを発見できたという点で有意義である、と言います。

「勉強とは出来るようになるための行動。出来るかどうかを試しているだけだから、問題集を解いていた時間は勉強時間には含まれない。」勉強時間は、解答を確認してからの時間のことを言うのだそうです。60分のうち50分間問題を解いていたら、10分しか勉強していないことになります。答えを確認して、合っていたか間違っていたかを確認するだけなら、勉強時間はゼロだと。

テストや問題集という言葉を「仕事」に置き換えると、企業における人材育成にも当てはまります。問題集を沢山やるだけでは駄目なのと同様、仕事やその場数だけで人は成長しない。経験を効果的に成長につなげる為には、評価と振り返りが必要だということです。自分で評価しまたは上司や周囲から評価を受け、どうすれば良かったのかを振り返って考えることが、成長する、出来るようになるために不可欠ということです。

もう一つ大切なのはメタ認知。進学指導のプロは「合格ラインに対して、現状はどの辺りにいるか。」「得意・不得意は何か。」を常に本人に自覚させようとします。同様に、仕事・現場から離れた所、高い場所から自分のレベルを把握したり、自分が出来ることと出来ないことを自分で分かったりする機会の有無が成長に大きく影響するわけですが、これはOff-JT(研修などの学びの場)の大切さと言えるでしょう。

つまり人材育成では、仕事の中身と数(経験の質と量)、現実に即した評価と振り返り(主として上司による適切なフィードバック)、メタ認知(現場を離れた客観化と体系化)が、三位一体となっている状態を作ることが重要で、研修の効果測定などと言いますが、仕事の中身も数も物足りず、評価も振り返りもやっていないのに、研修の効果だけを云々するのは有意義な議論とは言えません。

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長 /一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革・健康経営など)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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