WHOや医療関係者の話しでは、新型インフルエンザの発生と拡大は時間の問題であり、発生するか否かという問題ではないとされています。 そしてパンデミック対策のポイントはサプライチェーンの維持に視点が移りつつあるなかで…。
個人の健康管理よりも事業継続を尊重するわけではありませんが、事業継続の重要性については、豚インフルエンザ発症後の経済状況が示すことになるかもしれません。(4/26追記)
先日、産経新聞にこのような記事が掲載されました。
【上場企業の3割「対策」 新型インフルエンザ】
この記事の中では「従業員3000人以上の大企業は92・5%が対策を実施中か、あるいは実施予定で、規模の大きい企業ほど関心が高い実態も浮かび上がった。業種別では、製造業での取り組みが進んでいる。」と書かれていました。
さて、ではなぜ中小企業でのパンデミック対策が必要になるのかというと、ケースで考えるならばISO9000認証のブーム(2000年~2002年)の頃を思い出して頂ければと思います。ISO9000認証が普及した最大の理由は、官公庁と大手企業が入札・取引要件に採用したからだと考えています。
そしてパンデミック対策については「社員の感染による休業及び操業停止リスク」が問題となっていますが、大手企業がBCP策定とパンデミック対策を進めれば、サプライチェーンを維持するために「取引先の選定」を行う可能性があります。
パンデミック発生時に操業を継続できる対策を講じているのかという点で取引先を冗長化させる可能性が排除できないという点を正しく理解する必要があります(BCPの基本は代替手段を駆使して事業を継続させることにあります)。
では、パンデミック対策にどれだけの費用をかけるのかという点が問題になりますが、現在の経済情勢と発生リスクを考えると、いきなりBCPのコンサルティングを受けるよりは、まずは自社での情報収集や社員の知識向上が先に実施されるべきと考えます。
※パンデミック対策の対応プロセスチェックリスト(無料公開)
なぜBCPから始めてはいけないのかということになりますが、BCPで考えている対策は「地震」「火災」「テロ」が中心であり「パンデミック」のように社屋や操業設備、IT機器がほとんど損害を受けない災害というものに対する十分なノウハウがありません。
加えて、BCP策定に必要な全社リスクの洗い出しからパンデミック対策へ展開するにはあまりにも時間がかかってしまいますし、それこそ中小企業であるが故の人的リソースの問題に直面します。
但し、BCPの考え方はとても重要ですので、以下のリンク先にある情報はご一読頂ければと思います。
http://www.bousai.go.jp/MinkanToShijyou/guideline01.pdf(内閣府のページより)
基本的には大手企業も中小企業なくしてサプライチェーンが維持できません。
ですので、大手企業の対策状況に歩調を合わせて対策を講じることが、取引関係を維持し向上させる手段になるということを戦略的にご理解頂いて、徐々にでも対応していくことが重要ではないかと思います。
2009年 新型インフルエンザ対策 手法
2009.05.15
2009.05.04
2009.05.03
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