シナジー効果の本質を探る

今日はシナジー効果の本質的な部分を探っていこうと思います。結局は「全体は部分和を超える」というお話しに終始し、「関係性」こそ本質であるということ以外にないのですが、その辺りの背後にある現代思想にも触れつつ解説したいと思います。

 ドラッガーの言葉に「全体は部分和を越える」ということがあります。

 さすがドラッガー先生、本質を看破されていますね、とも言えますが、現代思想を知っている人にとってはこんなことは常識で、思想的背景の説明をせずに、さもコンサルティング経験からわかったように言うのは感心しません。

 経営学に携わる人は、知見が、さも、ケーススタディーでわかったかのように言いますが、経営学は現代思想、いわゆる現代哲学と無縁ではありません。

 野中教授が暗黙知概念をやや曲がった形で経営学の世界へと移管しましたが、それを進める?形で、マッキンゼーがファミリアリティー概念、学習優位概念にそれを発展させることを提唱しました。

 ファミリアリティー概念自体はあまり普及していないようには思いますが、ただ、この動きも、元々の「暗黙知」という概念の提唱者である、ポランニーの暗黙知概念から見ると、ややポランニーの本意に近づいたという見え方になります。

 この部分はさわりなので、詳述しませんが、面白い論点なので、ご興味のある方は、野中教授の「知識創造企業」と、マッキンゼーの「組織の進化」を調べてみてください。

 さて、お話しを元に戻しますと、シナジー効果ってなんですか?と言いますと、1+1が2ではなく、3にも、4にもなっていくということですよね?

 例えば、税務申告業務のアウトソーシングを受けている会社が、会計コンサルティングを始めると、別々の企業として事業を立ち上げた場合に比べて、儲かるというのは普通に考えればわかります。プライスウォーターはまさにそうですね。

 複数事業を一緒にやった時の全体の儲けが、1つ1つの事業を別々にやった場合に比べて、儲かる時、シナジー効果がある、ということですね。

 それを難しく言うと「全体は部分和を越える」ということになりますね。

 こういった、「全体は部分和を越える」というのは、経営学の知見というよりは、ドラッガー先生の知見と言うよりは、現代思想の知見が先行しているんですね。

 でも、これ、物事を分けて考えるという思想から見ると、おかしいと思いませんか?

 1つ1つの要素を足していけば全体になるのではないか?と思いません?

 では、全体から部分の要素を引くと何が残るのか?

 ちょっともったいぶっていますね。ごめんなさい。

 答えは「関係性」が残るんです。そして、「関係性」が折り重なったものを現代思想では「構造」と呼びます。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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