テレビを侵す「昔は、凄かった」ウィルス!

2008.11.23

ライフ・ソーシャル

テレビを侵す「昔は、凄かった」ウィルス!

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

「水曜ノンフィクション」4.9%。「久米宏のテレビってヤツは!?」5.5%。2008年11月19日の番組視聴率である。関口宏、久米宏・・・・大物MCを起用した民放の報道ドキュメンタリーが、どうも大コケのようだ。このところの視聴率は、5%前後。ゴールデンという時間帯を考えると、結構辛い。

昔の自慢話で、自分を大きく見せようとはしない。
自分の現役時代を知らない子供達に、凄い野球を伝えるためには、
「自分が、いま凄くなくてはいけない」から、「いまを磨き続ける」。

そんな村田兆治さんと比べて
久米宏さんや関口宏さんのテレビ番組を見てみると・・・
その画面からは、140キロのストレートは、残念ながら伝わってこない。
何を磨き続けているのかが見えてこない。

昔の自慢話に浸りながら自分を大きく見せ、
そのポジションを確保しているような大物プロデューサーに支えられて、
「昔は、凄かった」残像をなぞっているだけにしか見えない。

視聴者のこころに火をつけるのは、
「いまが凄い」ヒトである。
「いまに磨きをかけている」ヒトである。

権力や暴力の前に、ヒトは頭を下げるが、決して本意ではない。
ヒトが、こころの底から、自然と頭を垂れるのは、「根気の前」である。
毎日、毎日、ひとつ、ひとつ・・・「いまを磨き続けている姿」にである。
ヒトを育てる姿とは、そういう時代に真摯な姿にある。

テレビや広告業界に、次世代を担う若い人材が出てこないのは、
テレビや広告のいまを握っている人達の多くが、
「いまに磨きをかけ続けていない」からである。
「いまが凄い」ということに、こだわっていないからである。
「昔は凄かった」というお伽の国になったからである。

村田兆治さんは、インタビューの中で、
第1回全国離島交流中学生野球大会を開催して、こうも語っている。
「スタッフにも、手抜きは絶対にさせません。子供に失礼ですから。でも、お金じゃなくて、そう思って働いてくれるメンバーでできることが誇りです」
子供達に失礼がないように、スタッフ全員、いまを磨き続ける・・・。

耳の痛い話しである。
「典型的な視聴者は、高卒の50歳の専業主婦」という教えが、
テレビや広告業界には、広く流通している。
視聴者に失礼のない番組を、果たして作れるのか・・・。
「昔は凄かった」ウィルス=特権意識の根絶は、容易ではない。

自分の身の中に潜む「昔は、凄かった」ウィルスの根絶を、
こうやって、書いて、心して、コツコツと進めたいと思うっ。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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