犯罪に、意味は必要なのか? 消費者に、ニーズはあるのか?

2008.11.30

ライフ・ソーシャル

犯罪に、意味は必要なのか? 消費者に、ニーズはあるのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

「年金テロ」かと大騒ぎした事件は、単なる過激なクレーマーの犯罪。ワイドショーでは、いろんなコメンテーターが、わけ知り顔で、いちいち推理していたが、全部、大外れ。 犯罪に「意味」は、そんなに必要なことなのだろうか?

年金問題を抱える厚労省のキャリア官僚を狙った犯行のため、事件発生当時からマスコミは、「年金テロ」と騒いだ。
案の定、警察OBや犯罪心理学者は、
「イデオロギーによる犯罪だ」とか、
「組織犯罪の臭いがする」とか、
「厚労省の内部犯行だ」とか・・・。諸説飛び交った。
でも、結局のところは「統合失調症の疑いがある中年男の場当たり的犯行」であった。

気の毒にも亡くなった方々に「年金」「厚労省」という「意味」が付いていたので、過剰な解釈に繋がったのだとは思うが、「専門家=評論家」としては、間抜けな結果ではないだろうか?

視聴者が「年金テロ」であって欲しいとどこかで望んでいたから、
犯罪は、過剰に捉えた方が面白いから、
評論家は、その視聴率獲得のテレビの思惑に乗っただけにしか見えない。一体、どんな言い訳をするのだろう?

無差別に他人を殺したりする事件の多くは、
社会的意味なんてないと思う。
殺人を犯した本人を突き詰めて行っても、ろくなモノは出てこない。
「個人の闇」ばかりで、
そこに大きな社会的意味なんて、たぶんない。
犯罪を「格差社会」や「バーチャル社会」のせいだと、
いくら理由をつけても、それは、闇の根幹ではない。

正常な人間であるなら、社会的意味を背負うほどに、無差別に他人を殺す行動への躊躇は生まれる。だから大量無差別テロには、大きなイデオロギーが必要なのだ。

「個人の闇」に、小さな物語をつけて社会のせいにする。
「個人の闇」に、過剰な意味をもたせて魔女狩りをする。
その「小さな物語」や「過剰な意味」で紡がれる合理性が、
今を生きる「個人」の未来を明るくするものには思えない。
誰もが多かれ少なかれ抱えている「個人の闇」に、
それらしい理由をつけたところで、解消されるものではない。
それに社会的意味を付けたら、
「個人の闇」は、全部社会のせいになる。
憶測だけの無責任な犯人探しは、有害無益だ。

販促・マーケティングの世界にも、同じようなことがある。
消費者ニーズの解説や分析=意味づけが、いつもしっくりこない。
賢い専門家の皆さんは、「消費者ニーズは、ある。」とおっしゃる。
「消費者の行動」には、
全部、物語があり、意味があると解説される。
前述の犯罪評論家と同じような気持ち悪さを感じる。

ニーズ=必要なモノなど、そこそこ、みんな手に入って・・・
ウォンツ=欲しいモノも、速攻では答えられない。
そんな成熟した社会の消費者のニーズやウォンツは、
今まで通り合理的には語れないのではないかと思う。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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