ビジネスはすべて、「サービス業」の時代へ・・・

2008.08.12

経営・マネジメント

ビジネスはすべて、「サービス業」の時代へ・・・

石塚 しのぶ
ダイナ・サーチ、インク 代表

ウォルマートとデルが手を組んで、サービス・ビジネスに参入。そんなニュースを聞いて、「顧客主導型」の激流を改めて実感・・・。

「PC」という商品に特化して考えると、日常生活のIT化が急進して、ユーザー層が「マニア」から「普通の人」に移ってきた、ことの影響も勿論あるでしょう。今や、家庭でもオフィスでも、PCを使うことが当たり前になりました。昔は、「PCユーザー=テクノロジーに明るい人」だったので、多少サポートが乏しくても問題なかったのでしょうが、今ではごく普通の人でもPCを使う時代です。こうした顧客層にとっては、何か問題が起こった時に、「解決策を求めて訪ねていける、あるいは、電話一本で駆けつけてくれる」距離のなさが必要不可欠だといえます。仮に親切でも、遠隔サポートでは心もとないのです。

極端に言えば、PCという商品は、「買っただけ」では役に立たないのです。買うことで、かえって頭痛が増えてしまう、というのが、PCの本質である、ともいえます。個々のユーザーのニーズに合わせて、これほどまでにカスタム化が必要な商品も他にはありません。私個人の鬱屈を吐き出してしまえば、PC流通と言う業界では、「モノ」の進歩にひきかえ、購入後のサービス・モデルの進歩がとてつもなく遅れている。「顧客主導型」の観点から言えば、こんなに時代遅れの業界はないと言ってもよいくらいです。(そして、そう考えているのは、私だけではないはずです。)

デルのような製造業者でも、ウォルマートのような小売業者でも、突き詰めていけばビジネスはすべてサービス業、という時代が到来しています。だからこそ、「モノ売り」から脱却した価値提案、唯一無二のサービス経営が求められているのではないでしょうか。

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

ダイナ・サーチ、インク代表 https://www.dyna-search.com/jp/ 一般社団法人コア・バリュー経営協会理事 https://www.corevalue.or.jp/ 南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。米国企業で経験を積んだのち、1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、ダイナ・サーチ(Dyna-Search, Inc.)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。米優良企業の研究を通し、日本企業の革新を支援してきた。アメリカのネット通販会社ザッポスや、規模ではなく偉大さを追求する中小企業群スモール・ジャイアンツなどの研究を踏まえ、生活者主体の時代に対応する経営革新手法として「コア・バリュー経営」を提唱。2009年以来、社員も顧客もハッピーで、生産性の高い会社を目指す志の高い経営者を対象に、コンサルティング・執筆・講演・リーダーシップ教育活動を精力的に行っている。主な著書に、『コア・バリュー・リーダーシップ』(PHPエディターズ・グループ)、『アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業のシンプルで強い戦略』(PHP研究所)、『ザッポスの奇跡 改訂版 ~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~』(廣済堂出版)、『未来企業は共に夢を見る ―コア・バリュー経営―』(東京図書出版)などがある。

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