【知識デザイン企業】

2008.08.01

ライフ・ソーシャル

【知識デザイン企業】

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

もう一度読み返したい本: 【知識デザイン企業】 (著)紺野登 氏

■ それには、「製品に人間性を与える」「感情的要素を重視する」といった、従来の大量生産と大量消費型のモノと人間の関係からの脱却で必要である。

■ 創造経済における製品の概念で、最も重要な軸となるのは、3つ目の「社会性」「環境」である。

■ 企業が生態系を維持する製品や事業を展開したり、自然のシステムに倣った製品やサービスの仕組みを取り入れたり、自然に再投資することで、持続的な成長やイノベーションが生まれる。

■ モノには、従来の経済性や機能に加え、環境・社会的・文化的価値がますます重要となり、その新たな綜合的能力としての知識デザインの方法論を中核に捉える経営が求められる。

■ このように、デザインは単なるモノのカタチを作ることでなく、デザインを介在させ、企業や組織が内包する知力を解放することが本質な課題である。

~知識デザイン:知をオーガナイズする~

■ 個人の主観や感情から湧き上がる創造性こそが価値を生み、成果を生む源泉となる。となると、創造性をいかに経営に活かせるかがこれからの企業の命運を左右する最大の要因となっている。

■ 創造経営において、サイエンスとアートの両方の力量が同じように問われる。それらは、別々に追求されるものでなく、2つの力が融合することで価値をまとめ上げることができる。当然そこには新たな方法論が必要となる。その新たな方法論の1つが「知識デザイン」である。

■ 知識デザインとは、製品やサービス、ビジネス、プログラムなどの資産としての知識を綜合し、社会や生活と技術やモノとの組み合わせを可能にするための知的方法論である。

■ つまり知識デザインとは、まさに「つなぐ」ことであり、諸要素を分断せず、コンセプトや審美的なイメージ、目標に向かって、境界を自在に行き来しながら多様な知を融合し価値をまとめ上げていく方法論である。

~アート・カンパニーの条件~

■ 知識デザインの方法論の基本は、まず現場からの顕著な事例から仮説を立て(仮説推論)、それをモデル化・理論化し(演繹)、そしてそれが有効か否か、再び現場の実践を通じてたち現れる兆候を確認しながら、プロダクトやビジネスの実体を形成する(帰納)、というプロセスである。

■ 単に見た目のデザインだけでは、一時的な差別化にはなっても、コモディテイ化の圧力の下では、持続的に価値を生むことはない。知識デザインにより、ブランド、ソリューション、経験デザインなどといった人間中心の「ソフトな知」を創造できるかどうか、企業のこれからのあり方が問われている。

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