理論と実践、そしてハート

2008.05.05

仕事術

理論と実践、そしてハート

猪熊 篤史

人は論理・分析タイプ、行動タイプ、感情タイプに大別できる。分析、行動、感情のバランスが大切である。

人は大別すると3つのタイプに分かれる。論理・分析タイプ、行動タイプ、感情タイプである。

論理・分析タイプとは、分析や論理思考が得意なタイプである。モノゴトをMECE(ミシー:Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)、つまり、ものごとの関係や状況を「もれなく、ダブりなく」分析して考える人々である。また、そのような分析を「もれなく、ダブりなく、しかも、ズレやトビなく」説明しようとする人々である。

このタイプの人の欠点は、分析や論理思考に縛られて、絶えず変化する環境に合せて分析や論理思考を続けるため、結論を永遠に導き出せないということである。また、しばしば判断基準がモノゴトが「正しい」かどうかではなく、「聞いた事があるか、読んだ事があるか」になることがある。このタイプの課題は結論を出すこと、自分の頭で考えることだろう。

行動タイプとは、行動のプロセスや結果よりも行動しているという事実を優先すするタイプである。このタイプの人には、行動によって得られた直接的な経験に価値がある。

このタイプの人の欠点は、価値判断の基準が直接的な経験であるため、経験の無いこと、潜在的可能性などについて判断することが困難なことである。また、価値判断の基準も不安定になりがちである。このタイプの課題は行動自体ではなく、結果を出すこと、行動と結果の関係において、より確かな経験的価値基準を持つことであろう。

感情優勢タイプとは、その時々の感情を優先して思考または行動するタイプの人である。

このタイプの欠点は、思考または行動の基準がやはり不安定な、その時々の感情によって決まるため、多くの人の共感を得ることは出来ない。同じような価値観や境遇の小グループをまとめることはできても、多様な価値観や利害を持つ大組織をまとめることは困難になる。このタイプの課題は不安定な感情レベルの思考や行動にとどまらず、人々の共感や理解を得られる「心」のレベルの価値基準、判断基準を持つことであろう。

人は論理・分析タイプ、行動タイプ、感情タイプの要素を多かれ少なかれ持っている。これらの要素のバランスや配列によって個性を持つと考えられる。一方で、個々の構成要素の欠点を補いバランスを高めることが理想的である。それがより良い個性を実現することにつながる。

【V.スピリット No.4より】

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