日本は本当に人手不足なのか? ―日本人が、対峙すべき現実―

2025.11.25

経営・マネジメント

日本は本当に人手不足なのか? ―日本人が、対峙すべき現実―

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

本当に「人がいない」のだろうか。 それとも・・・ 「人はいるのに、立ち上がれないでいる」のだろうか。 この違和感から、話を始めたい。

◇ 経営者へ

>「本当に足りないのは、人か。器か。」

  • 自社の人材育成投資を、設備投資と同じくらい真剣に議論したことがあるか。
  • 「人手不足」を口にする前に、「人を育てる仕組みの不足」と向き合ったか。
  • 自分自身が、いまも“学ぶ側”に立っているか。

◇ 管理職・リーダーへ

>「あなたの在り方が、チームの天井になっていないか。」

  • 部下のやる気の無さを嘆く前に、「本音を言える場」をどれだけつくってきたか。
  • 失敗を責める言葉より、「一緒に振り返ろう」という言葉をどれくらい使ってきたか。
  • 「正解を教える人」から、「一緒に探し続ける人」に、自分を変える覚悟があるか。

◇ 若手ビジネスパーソンへ

>「会社ガチャで終わらせず、自分の一歩を問う。」

  • 「この会社サイアク」と言う前に、「このチームを1ミリ良くする行動」を一つはしたか。
  • 不満を言う時間と、学ぶ時間。どちらに多くの時間を使っているか。
  • 「どうせ変わらない」ではなく、「自分がやってみて、それでもダメなら次へ行く」という選択肢を持てるか。

◇ これから社会に出る若者へ

>「未来を一括りに諦めず、自分の物語を始める。」

  • 「日本オワコン」と言う前に、自分の半径1メートルを少し良くするチャレンジをしたことがあるか。
  • SNSの“誰かの人生”ばかり見て、自分の問いを持つことを忘れていないか。
  • 「どうせ自分なんて」と思う声と、「それでも一歩踏み出したい」という声、どちらを大切にしたいか。

8.日本は本当に人手不足なのか?

もう一度、最初の問いに戻る。

日本は本当に、人が足りないのだろうか。

それとも――

「学び・成長し、力を発揮できる人」と、

 その力を受け止める“チームという器”が圧倒的に不足しているだけ

なのだろうか。

ニートも、ひきこもりも、静かに退職していく人たちも、

「弱い人」「怠け者」と切り捨てる前に、

私たちは社会の側に突きつけられた鏡だと受け止める必要がある。

  • 人に投資してこなかった企業。
  • 学ぶことをあきらめた大人。
  • 変わらない空気に適応してしまった私たち自身。

日本は本当に人手不足なのか?

それとも――

「人を活かすことを、あまりにも長くサボってきた国」なのか。

この問いに、それぞれの立場から正面から向き合うこと。

それこそが、

「人手不足」という言葉の奥にある、日本人が対峙すべき現実だと、私は思う。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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