​『ソイレントグリーン』の時代:近代文明論の帰結

2023.02.17

ライフ・ソーシャル

​『ソイレントグリーン』の時代:近代文明論の帰結

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/ いくら意固地になっても、増え続ける高齢者の医療や介護までやりながら、20世紀的な大量生産社会のシステムを全面的に稼働させ続けるのは、人口減少もあって不可能だ。むしろ、ほっておいたほうが、現代文明は環境適正規模までスケールダウンするのではないか。もっとも、世界が再び安定するまで、あまりに多くの人が不幸になるのだろうが。/

いま、近代文明の切換え目にあって、増え続ける高齢者の医療や介護までやりながら、20世紀的な大量生産社会のシステムを全面的に稼働させ続けようとするのは、人口減少もあって、どうやっても持続可能ではない。むしろ、環境負荷や食料供給を考えると、そもそもこれまでのような人口増大前提の労働力調達の方が異常だった。かといって、いくら強制ではないにしても、本人みずからが人生に絶望して安楽死を選択するような社会は、ろくなものではあるまい。過渡期ではあちこちに穴ができて、大きなトラブルにもなり、あれこれの「すべき論」が噴出するだろうが、へたに意固地になっていじくらず、シャール・グリーンのように無頓着な人々が流動化すれば、潰れるものは潰れ、放棄されるものは放棄され、過密過剰なものは自滅して、ほっておいておいても、現代文明は環境適正規模までスケールダウンするのではないか。もっとも、世界が再び安定するまで、あまりに多くの人が不幸になるのだろうが。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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