「経営陣に女性がいる企業は業績がよくなる」という法則

画像: anokarina

2017.05.31

経営・マネジメント

「経営陣に女性がいる企業は業績がよくなる」という法則

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

経営先進国と考えられている米国でも実は、女性の昇進を阻む「ガラスの天井」が相変わらず分厚い実態がある。そうした中、経営陣に女性が含まれる企業はパフォーマンスがよくなるという実証研究が相次いで発表された。この意味を考えてみたい。

小生の母校であるテキサス大学のMcComb School of Businessが最近発表した2つのグループの研究結果によると、経営陣に女性が含まれる企業はパフォーマンスがよくなることが実証された。

  • “トップマネジメントチームに女性を含む企業は長期的にみて業績が改善される”というのがDavid Harrison教授と博士課程の学生、Seung-Hwan Jeong氏のコンビの研究の結論である。
  • “女性役員は(男性では難しい)特有の見識を追加的に取締役チームにもたらすが、それは平均で10%近くものスキルセット拡張に相当する”ことを証明したのは、McComb School のLaura Starks研究副所長とトロント大学のDaehyun Kim准教授(McComb出身)のコンビである。

2つの研究結果は次のURLから取得できるので、興味のある方は読んでいただきたい。

  • https://www.researchgate.net/publication/303717036_Glass_Breaking_Strategy_Making_and_Value_Creating_Meta-Analytic_Outcomes_of_Females_as_CEOs_and_TMT_members
  • https://www.aeaweb.org/conference/2016/retrieve.php?pdfid=1474

米国でも「ガラスの天井」は厳然と存在しており、上場企業では従業員の約半分が女性なのに、Fortune 1000(中堅以上)企業の女性役員の割合は17.9%、2013年から2014年にかけてFortune 500(大企業)のCEOに指名された女性はわずか3.2%のみだ。

こう書くと「なんだ、米国だって大したことないんだ」と思うのは早計で、日本の上場企業の女性役員割合は2016年時点で3.4%と、比較するのさえ憚られるほどお寒い状況だ(内閣府男女共同参画局のHPを見ると主要国間の比較が見つかる)。

話を戻そう。ではそんな内部環境下で、なぜ女性が加わることで経営陣のスキルセットが改善し、パフォーマンスが上がるのか?結論的には、「女性のほうが優秀だからだ」という単純な話ではなく、異なる視点が加わることによる「多様性の力」なのだ。

経営陣に女性が加わると、閉鎖的グループでありがちな「あうん」の呼吸で物事を決めていくわけにいかず、もたらされた情報を解釈し、評価・決断する際に「なぜそうすべきか」をきちんと説明することが求められるという。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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