ケアマネジャーを介護事業所から分離させよ

画像: 143d ESC

2016.11.16

経営・マネジメント

ケアマネジャーを介護事業所から分離させよ

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

利用者の立場で中立公正であるべきケアマネジャーが介護事業所に雇われている。この構図が必然的に不適切なケアプランと不公正なサービス給付を生み、地方財政を脅かす。ならば分離するしかない

ではどうすべきか。原則としてケアマネジャー業務と介護事業所を分離すべきだ。厚生分野では「医薬分業」(薬の処方と調剤を分離し、病院と薬局という別々の経営主体に分担させること)という実績もある。方向性は2通りあるのではないか。

一つは、ケアマネジャーの報酬を上げ、彼らが独立した事業所を営めるように持っていくことだ。既にケアマネジャーとして資格を持ち、公正な立場で利用者に向き合いたいと考えている地域のケアマネジャーたちが寄り合って独立することを後押しするのだ。課題は、報酬をいくらほど上げるべきか、既に過剰になっている有資格者たちが全員独立したいとなったときに食べさせることができるのか、などが不透明なことだ。

もう一つは、ケアプランの作成やその後のモニタリングといったケアマネジャー業務を、公的な機関である地域包括支援センター(もしくは自治体)に所属する「主任ケアマネジャー」に集約することだ。課題は介護事業所に所属する従来のケアマネジャーの処遇だが、多くは相談員等として介護事業所に残ってもらい、残りの一部は地域包括支援センターに再就職して、増強すべき「主任ケアマネジャー」職に就いてもらうことになろう。

後者については地域包括支援センターにおける雇用増分の予算手当が各自治体には必要となるが、野放図なサービス給付にストップを掛けることができれば数倍から数十倍といった財政改善効果が見込めるので、ずいぶん安い投資だろう。

いずれの方向でもよい。早く制度改定に向かうことが肝心である。そのためにはまず特区でいいので、それぞれの案(別段、上記の2つに限る必要はない)を試してもらいたい。そして混乱や問題の少ない方法に収れんしていけばよい。既に高齢化社会に突入してしまった我々には、もう手をこまぬいている余裕はないのだ。
Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

『ベテラン幹部を納得させろ! ~次世代のエースになるための6ステップ~』がアマゾンのオンデマンド書籍として上梓されました。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください。  パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。新規事業の開発・推進・見直しを中心としたコンサルティングを提供しています。https://www.pathfinders.co.jp/  弊社は、「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。https://www.pathfinders.co.jp/app-def/S-102/cms/rashinban  最近のインタビュー記事『ありがちな失敗パターンから学ぶ 新規事業の“正しい”取り組み方』がウェブに掲載されています。経営者またはその予備軍の方々にご覧いただきたく。 https://inouz.jp/times/pathfinders-1/ https://inouz.jp/times/pathfinders-2/  

フォロー フォローして日沖 博道の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。