パフォーマンスの成績優秀な社員ではあるものの、困った社員がいます。どのように対応したらいいのでしょうか!?

画像: パフォーマンスと企業の評価のマトリックス

2015.11.10

組織・人材

パフォーマンスの成績優秀な社員ではあるものの、困った社員がいます。どのように対応したらいいのでしょうか!?

鬼本 昌樹
戦略人財コンサルタント 代表

企業にとって大切な人材の優先順位をどのように位置付けているか? パフォーマンスが高い人材、企業理念や行動指針に同意して行動してくれる人材の組み合せを2軸で検討してみて、現在の社員がどこにプロッティングされるかを確認してみる。プロッティングされた人材ごとに、どのように対応するかを見てみたい。

優秀な成績を常に納めていた彼は、無意識に社内に大きな影響を与えていたことを理解しなければいけません。彼には、単に、辞めてもらえば問題解決と思っていては、真の問題解決にはなりません。また、新たな彼を生み出すことになってしまうからです。

パフォーマンスが高く、企業価値観に共感できていない人材を発見しておく

組織の中で、他にも彼のような人がいるのか発見しておくことをお勧めします。
“企業の価値観とパフォーマンスの2軸”で、人材のプロッティングをしてみます。

図のように4つのブロックに分類してプロッティングをします。図の中にある1、2、3、4は、企業にとって必要な人材の順番を意味します。最も迷うのが、2と3ではないでしょうか。理論上は図ですが、実際問題となると、2と3を逆にしていることはありませんか。

人事評価とのギャップを確認しておく

人事評価制度も図のような順番で社員を評価しているでしょうか? 一致している場合は問題ありません。
でも、一致していない場合は大きな問題であると自覚してほしいです。つまり、「言っていることと、やっていることが違うではないか!」と社員に思われているのです。

ブロック別の対応を間違えると危険

さて、1のブロックにいる人材は、昇格対象でもあり、将来の役員候補でしょう。現在、最も大切としている人材です。

2のブロックにいる人材は、教育よりもパフォーマンスを伸ばすための研修を行い、コンピテンシーによる企業の求めるスキルとそのレベルを明示することで人材開発を強化していく人材です。パフォーマンスに対するご褒美はでなくても、価値観に対する行動を行ったことに対してはご褒美をだしてほしいです。

3のブロックにいる人材は、研修は害です。むしろ、企業理念や行動指針、企業の価値観の重要性の教育に重点的に強化していく人材です。ここにいる人材を2のブロックにいるひとより高い評価を実際にしていると、いわゆる悪い企業文化を形成していることになります。ここにいる人材は、いずれは会社の言うことを聞かなくなり、自分勝手な行動、他人を犠牲して自分の成功を果たす、情報共有の否定など困った人材へと発展していきます。そのためには、このままだと「社内での活躍の場所がなくなる」ことを早めに伝えることです。

4のブロックにいる人材は、新卒入社者を省いては、このままでいると会社から去ってほしい人材です。特に、以前は1のブロックにいた人材がいたとすれば、それは「燃え尽き症候群」が原因で4のブロックに入った人材かもしれません。仕事の意義、目的意識を教育することを優先してやります。「目的」を明確に伝える、担当する仕事の「意義」を考えさせるなどの指導が必要です。

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鬼本 昌樹

戦略人財コンサルタント 代表

人事の役割は、グローバルでは2005年あたりから大きなパラダイムシフトが始まりました。それは、社員の自己実現を達成させる仕組み、制度、支援を人事が行うことです。社員が安心して会社で最大のパフォーマンスを発揮し、それが経営目標の達成、さらには事業発展に貢献できる仕組みを人事が担当する時代になったのです。 人事機能を運用管理するだけの役割は、グローバルの優良企業にはもはや1社もありません。 このような人事の役割の変化と事業の発展は等しく関係しています。日本企業の真のグローバル化、世界で戦う人材のマネジメントを行う人事部門の再構築の支援をさせて戴いております。

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