GEが今、GEキャピタルを手放す理由

画像: GE Report

2015.06.01

経営・マネジメント

GEが今、GEキャピタルを手放す理由

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

GEが長年の懸案、GEキャピタルの売却を公式に発表した。そのスケールもインパクトも例外的だが、意図はこれ以上ないほど明確である。

今年の4月上旬、米GEのジェフリー・イメルトCEOは金融事業から事実上撤退するという大胆なリストラ方針を正式に表明した。

GEキャピタルとして知られる世界有数の金融機関で、その保有資産たるや5千億ドルという途方もない金額である。巨人・GE全体の売上の3~4割を占める巨大ビジネスであり、利益ベースでは半分近くを稼いでいるというのが実態だ。

http://www.gereports.com/post/96727111405/ge-boosts-focus-on-growing-industrial-core-with

こうした超巨大企業による主力事業の切り離し・売却というのは、日本では似たような事例がほとんどないので、これがどれほどすごいことなのか、一般の人にはなかなかピンと来ないだろう。例えて云えば、シャープがテレビを中心とする家電事業を売却するようなものだろうか、しかも経営が左前にならないうちに。

海外では巨大企業におけるこうした思い切った事業ポートフォリオの組換え事例が、10年に一度程発生する。

例えば農薬と種子・バイオテクノロジーの世界的リーダー企業である米モンサントは、主力だったPCBなどの汎用化成品を思い切って売却している。IBMが 中国のレノボにパソコン事業部門を売却した事例はとみに有名だ。通信機器大手ノキアはかって携帯電話メーカーとして世界首位だったが、スマホで出遅れてサムソンに抜かれた時点で携帯電話事業を手放し、通信設備事業に集中している。

ではGEの業績には何か問題でもあるのだろうか。その点で云えば、特段切羽詰まった問題があるわけではない。昨年期は増収増益で、今期も同様の見通しだそうだ。でも敢えていえば、グラフを見てお分かりいただけるように若干の伸び悩みを示しているといえば、そう云える。

http://www.statista.com/statistics/263828/revenue-of-general-electric/

ただしこの図体になると、多少の新製品ヒットなどでは増収にはほとんど効かず、特定事業部門で多少の増収があっても全体としてみるとほとんど影響はない。しかも2011年から2013年に掛けてメディア大手のNBCユニバーサルを、2014年には家電部門をエレクトロラックスへ売却していることを併せて考慮すると、それでも売上微増を続けていることは大したものだと言わざるを得ない。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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