戦略的企業文化とコア・バリュー経営

2012.04.19

経営・マネジメント

戦略的企業文化とコア・バリュー経営

石塚 しのぶ
ダイナ・サーチ、インク 代表

顧客に愛される会社、革新がどんどん生まれる会社、結束の固い会社・・・。そういった会社の根っこには、必ず優れた企業文化がある・・・。ただ何となく存在する「企業文化」ではなく、「戦略的な企業文化」。そして、それを現場に浸透させ、成果を出す「コア・バリュー経営手法」について。

サンフランシスコで『ピーク経営』の生みの親、チップ・コンリー氏と共に行ったプログラム、私は、『戦略的企業文化とコア・バリュー経営』というテーマでセミナーを行いました。

マズローの欲求階層を企業経営に応用して、従業員、顧客、投資家の「自己実現」を目指すことで、ピーク・パフォーマンスを達成する・・・、『ピーク経営』の考え方と手法は、私が提唱する『戦略的企業文化とコア・バリュー経営』と大いに通じるところがあると思っています。

ザッポスやサウスウエスト航空など、私が「コア・バリュー経営企業」と定義する企業の多くは、「ピーク経営」のプラクティショナーでもありますから、両者の共通性は当然のことなのでしょうが。

私はアメリカで大学院を卒業した70年代の頃から企業文化には興味をもっていたのですが、ザッポスの研究を経て、「次世代の経営の根本は企業文化にあるべき」という確信を得ました。

それも、ただの「企業文化」ではない。「戦略的企業文化」と呼ぶべきだと、私は思っています。

これはどういうことかというと、ただの「企業文化」はどこの会社にでもあるものだからです。しかし、自然発生的に存在する文化がすべて「良い文化」、つまり、会社の使命の実現を後押しする文化や成長に貢献する文化かというと、そうではない。だから、企業の使命やコア・パーパス(存在意義)を出発点として、それにふさわしい文化を設計して、育むことが必要なのです。言い換えれば、「戦略的企業文化」の設計と構築が必要であるということになります。

多くの企業が直面しがちな問題は、「企業文化が重要だ」ということがわかっていても、それをいかにして構築したらいいのか、ということがわかっていないということでしょう。ですから、多くの企業が「ただ何となく」企業文化育成に取り組んでいるという現実があります。また、「企業文化育成」の名のもとに取り組まれている努力の多くが、ごく表層的なものになってしまっています。

「形から入る」という言い回しがありますが、例えば社訓や社是みたいなものを社内の至るところに掲示するとか、オフィスのレイアウトや飾りつけを工夫するとか、いろいろなものに独自の名前をつけてみるとか、そういったことが「表層的な努力」の部類に入るでしょう。

もちろん、「形から入る」ことが悪いといっているわけではありません。「視覚的な表現」というのも、企業文化の重要な構成要素のひとつですから。ただし、私は、戦略的企業文化の構築には次の二つの理解が必要不可欠だと思っています。

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「未来企業は共に夢を見る~コア・バリュー経営~」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。

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