ロールモデルは自分でつくる。

2011.12.26

ライフ・ソーシャル

ロールモデルは自分でつくる。

寺西 隆行
(株)Z会

複雑そして多様な社会になっていますから、選択と決断がこれまで以上に大切になってくると思います。 自分の、そして、自分の世代で、それぞれが弁えた立ち居振る舞いをすれば、未来は明るい。 ロールモデルを自分自身でつくっていきましょう!

「残念な大人」は社会において、イレギュラー中のイレギュラーなんだよ、と、子どもたちに分かってもらうために。

◆若者は、ロールモデルが身近になくても、選択・決断できるような意思をもとう!

疲れて帰ってくる父親を見て、酒井氏はこう思ったことをブログに書いています。

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私は父のようにはなりたくない。だから、私にはロールモデルが存在しない。40代をこれからどう生きるべきか指針は外部には存在しない。スティーブ・ジョブズがかつて言ったように、「自分の内なる心の声に従って生きる」しかないのだ。
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「父のようにはなりたくない」と思った、ということは、きっと「父のようにはならなくていい」ような生き方のヒントをくれた人間に、子どもの時にどこかで出会っているからなんだと思います。

つまり…
戦前を生きた女性たちはきっと、「女性は家庭を守るもの」がデフォルトで、たとえ「家庭で辛そうにしている母親」を見ても、女の子が「そうはなりたくない」と思う機会がほとんどなかったのでは?と思うわけです。
周りの女性がみんな、そうしているわけですから。

だからきっと、著者には「ロールモデル」が身近に存在しなかったんだとは思うものの、ちょっとした「ヒント」は身近にあったのでしょう(本人自身は気づいていない場合もありますが)。

さて、今の若者を取り巻く現状は

・(残念ながら)ロールモデルになるような、芯が強く、どっしりと生きている大人は少なくなってきている(と感じる)。
・外部環境は複雑になり、生き方も多様化しているため、選択・決断が必要な機会はどんどん増えてきている。

と見受けられます。
なのに…自分で選択・決断することが苦手で、ロールモデル求め、探し、誰かの生き方をなぞろうとする若者のシェアも上昇しているような感を受けます。
感覚的なものにすぎませんが、「誰かがそう言ったから」「誰かがそうしているから」のような、ある意味効率的、ある意味他責な生き方をする、若者総体としての雰囲気を感じるのです。

Z会で関係する、大学受験生なんか見ていると顕著です。
「難関大学(とくに東大)に合格した先輩の1週間のスケジュール例」というテーマでの記事は人気絶大。
そして、その先輩の部活状況や、予備校の通い方の状況が少しでも自分と違うと、「毎日部活があって、予備校には夏まで通わず、そして学校の宿題がすごくあるような先輩の例を載せてほしい」と、どこまでも自分カスタマイズを希望するんですよね。
「あるといいなー」くらいの希望であれば、あるにこしたことはないと思うのですが、その程度の希望の強さではなく、「自分と少しでも違うと“参考にならない”と感じる」雰囲気を強く感じます。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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