これからの「価格」の話をしよう(3)

2010.12.10

経営・マネジメント

これからの「価格」の話をしよう(3)

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

前回「価格情報のフリー(Free)化」、前々回「レベニューマネジメント」と「価格」の決まり方に大きな影響を与える二つの動きを紹介した。今回はこれらの動きがBtoB(企業間)取引にどういう影響をもたらすか予想していこう。

調達・購買に携わる者は、こうした傾向を怖れるのではなく、歓迎すべきであろう。なぜなら、こうした傾向が意味しているのは、これまでは誰でもできると思われていた調達・購買業務が誰でもできるというものでなくなることを意味しているからだ。

日本の多くの業界で、まだサプライヤの集約が進んでいない。そうした業界では、過当競争にあるが故に、買い手企業が工夫をせずとも、サプライヤの方から色々と良い取引条件を持ちかけてくれるのが現状だ。これでは、なかなか買い手企業の調達・購買能力が育たない。サプライヤがある程度力を持ってこそ、調達・購買業務に価値が生まれ、調達・購買担当者が鍛えられ、買い手企業の調達・購買能力が育つようになる。

価格情報のフリー化で単なる見積情報の取得という業務は自動化されるようにはなるだろう。しかし、調達・購買業務はそれだけではない。サプライヤからの押し付けのフリルを除き正しい仕様を定める、適正な価格が提出されるような競争環境を作る、単なる見積情報の取得に時間を掛けないで済むような仕組みを作る、こうした仕事が残され、これらに調達・購買業務はシフトしていくことになるだろう。

何のことはない。これからの価格形成を左右する二大トレンドは、何も怖れるものではなく、我われが調達・購買業務のあるべき姿を突き詰めていくのを後押ししてくれる歓迎すべきものである。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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