第6回:キャリアの羅針盤(キャリアデザイン基礎講座)

2010.10.16

ライフ・ソーシャル

第6回:キャリアの羅針盤(キャリアデザイン基礎講座)

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

以前別のところで公開したものですが現在閲覧できないため、インサイトナウにて改めて公開します。キャリアデザインの基本的な考え方が理解できます!

[上昇(Getting Ahead)]

「上昇」(Getting Ahead)は、元々の英語では「Ahead」(先んじる)という言葉が使われていますが、上昇志向を持っている人の考え方を指しています。そこで「上昇」というキーワードを与えています。いわゆる典型的な「社会的成功」を人生・キャリアで求めている人です。

したがって、なによりも昇進を望みます。昇進に付随する権限・責任を喜んで受け入れます。昇進のために、仕事上の挑戦を好みますし、プロセスよりも成果を出すことを重視します。成果を出さなければ昇進につながらないからですね。

[安全(Getting Secure )]

人生・キャリアにおいて、安全や安定を大切だと考えることです。逆に言えば、できるだけリスクを回避したいということですね。日本では「安定志向」という言い方が一般的でしょうか。このため、職業・会社の選択においても「雇用安定性」を重視します。大企業への入社や公務員になることが目標の方が多いでしょう。あまりいい意味では使われないのですが「寄らば大樹の陰」の発想で行動します。

ただこれは、一方で「会社」のためという意識が強いですし、また成果を独り占めするのではなく、仲間と分かち合う方が喜びと感じる方が多いので、組織にこうした方々がある程度いないと、まとまりのある企業にはならないということは言えます。

[自由(Getting Free)]

文字通り、自由で縛られない生き方を標榜することです。
会社の規律を嫌い、平気で遅刻したり、会議は無駄だと勝手に欠席するような人は、おおむね「自由」の羅針盤を意識的(または、無意識的)に持っていると考えられます。ただし、あくまで自分らしさを追求するためにそうしているのであって、単なる「ずぼら」とは異なります。「だらしない」だけなのは、社会人としての基本的な生活習慣が身についていないだけの話です。

「自由」を追求している典型的な有名人は現メジャーリーガーのイチローが挙げられるでしょう。彼は、一人の社会人としての人間性は言うまでもなく高いですよね。ただ、こと野球という彼のキャリアについては明確な持論があり、他人の意見に妥協することはまずありません。わが道を行くという表現がぴったりなのが「自由」の方向性です。

[成長(Getting High)]

元の英語(Getting high)を直訳すれば、「高みを求める」と言えます。ここでの「高み」というのは、昇進するという意味ではなく、より楽しいこと、面白いこと、また自分の能力が伸長できることを重視することです。その意味で、「成長」という日本語を当てています。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

フォロー フォローして松尾 順の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。