上司をマネジメントする〈1〉~上司は「資源」である

2010.04.25

仕事術

上司をマネジメントする〈1〉~上司は「資源」である

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

会社員として組織に入れば、幸か不幸か、もれなく「上司」が付いてくる! よい上司であれ、わるい上司であれ、彼らは大切な「資源」である。賢い部下はその資源の引き出し方を考える。

では今度は、業務上の命令が変わって、「8」を言い渡されました。
手持ちのカードが変わらないとして、どうたどり着くことができるでしょうか。

・・・・・・・

さすがに現状、「8」にはどう転んでもたどり着きません。
達成のしようがないのです。
では、このときどうすればいいとあなたは考えるでしょうか。

――――そう、手持ちのカードを増やせばいいのです。

例えば、「4」というカードを一枚増やせば、
「1+3+4」や「2×4」などの方法で達成が可能になります。

◆いかに自分の外にあるカードを増やすか
私たちが職業人としていかに多くの命令や目標、ゴールを達成できるかどうかは、
ひとえにいかに多く手持ちのカードを持っているかにかかっています。

手持ちのカードとは、
一つには自分自身が持ついろいろな知識や能力、体力、人脈です。
そしてもう一つは、
自分以外、つまり他の働く人々が持つ知識や能力、人脈と、
会社組織が持つ資金力や設備力、情報力、信用力といったものです。

手持ちのカードの種類や枚数が豊富で多様であれば、
自分が成就できることも豊富で多様になります。
ただ、いくら努力しても自分一人が習得できるカードは限られています。

そうしたとき、考えなくてはならないのが、
他者の持っているカードや会社組織の持っているカードをうまく活用することです。
これは自分の身に取り込んだカードではなく、借り物のカードですが、
成果を出し、目標を達成するためにはどんどん使っていいカードなのです。

なぜなら、個々の社員が成果を出すこと、目標達成することは、
組織全体の好業績に直接つながっていくので、
組織としても、個々の社員が組織内にある資源を最大限活用してくれることを
おおいに望んでいるからです。

◆上司は仕事を成すための「資源」である
さて、自分の外からカードを引き出すとき、その最大のカードホルダーは何でしょうか?

―――それは間違いなく、あなたの「上司」です。

確かに、会社という組織も潜在的には多くのカードを持っています。
しかし、会社の資源を引き出すためには、目の前にいる上司の承認が必要なのです。
上司自身から引き出せるもの、そして上司の承認を通して会社組織から引き出せるもの、
これらを合わせて考えると、
上司は潜在的に非常に大きな「資源」の固まりということになってきます。

小さくは日々の業務で成果を上げるため、
大きくは自分の仕事上の思いや夢、志をかなえるために、
上司という資源を有効に活用することが賢い職業人なのです。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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