「外洋」に出よう!「解」は外にある

2025.06.19

経営・マネジメント

「外洋」に出よう!「解」は外にある

村上 和德
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長

私はよく、ビジネスパーソンの置かれている(置いている)環境について紹介します。環境といっても、業種や業態、大企業や中小企業ということではなく、厳しさと快適性、リターンとリスクの大きさといった、基本的な可能性としての環境のことです。 どのような環境で仕事をしているかによって、求められる力や判断基準、さらには成果の出し方が大きく変わってきます。私はこうしたビジネス環境を、「泳ぐ場所」にたとえて、以下の4つの層に分類しています。

私はよく、ビジネスパーソンの置かれている(置いている)環境について紹介します。環境といっても、業種や業態、大企業や中小企業ということではなく、厳しさと快適性、リターンとリスクの大きさといった、基本的な可能性としての環境のことです。

どのような環境で仕事をしているかによって、求められる力や判断基準、さらには成果の出し方が大きく変わってきます。私はこうしたビジネス環境を、「泳ぐ場所」にたとえて、以下の4つの層に分類しています。

1層目は「プール」、2層目は「池」、3層目は「内海」、そして4層目が「外洋」です。

プールではなく、外洋で泳ごう


・プール

プールはほとんど波がありません。また基本的に立てば底に足がつきますから、溺れることもほとんどありません。水質も管理され、安全です。では、プールで泳ぐ人は何を競うかというと、主にタイムです。きれいな環境の中、いかに早く泳ぐかが問題なわけです。

プールならではのルールもあります。レーンから外れたら失格になるため、決められた枠の中で、いかに良いフォームで泳ぐかが重視されます。そこには監視員がいて、ルール違反はすぐに指摘されます。

プールであっても、厳しさはあります。一人で何キロも泳ぐこともあれば、いろいろな泳ぎ方を覚えることもあるでしょう。持って生まれた体力の差に苦しむこともあるでしょうし、どうしても早く泳ぐことができず、出世コースから外れることもあります。プールしか知らない人は、当然、それなりの厳しさを感じています。日本国内のマーケットで、組織の中で働く会社員は、大半の人がプールの中で泳いでいるといえます。

・池

2番目の池は、深さもわかりませんし、水質の安全性も不明です。自分で確かめながら泳ぐ必要があります。しかも、自分なりに体力を計算しながら泳がなければ、向こう岸まで無事にたどり着くことができません。プールとは異なる厳しさがあります。決まったレーンや監視員もいませんので、好きな泳ぎ方をすればよく、マイペースで泳ぐことも可能です。そういう意味では、自分自身で事業を起こした人、会社を経営する人などが相当するでしょう。

・内海

3番目からは危険度が格段に増える海です。海には大きなチャンスがあります。自ら切り拓くことができれば、得るものも池とは比べものになりません。しかし、内海といえども、波や潮の流れがあり、天気や水温も気にしなければなりません。何よりも広さが違います。時には危険な魚に遭遇する危険性もあります。海の存在の大きさを知れば、チャレンジしたいと考える人は多いはずです。これまでになかったイノベーションにチャレンジしたり、ベンチャーを立ち上げたり、企業の経営者として大きな方向転換をする人があてはまります。

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村上 和德

ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長

1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。

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