上司をマネジメントする〈1〉~上司は「資源」である

2010.04.25

仕事術

上司をマネジメントする〈1〉~上司は「資源」である

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

会社員として組織に入れば、幸か不幸か、もれなく「上司」が付いてくる! よい上司であれ、わるい上司であれ、彼らは大切な「資源」である。賢い部下はその資源の引き出し方を考える。


4月は新期のスタートです。
人事異動がそこかしこであり、新しい部署に転属になった人や、
新しい上司・仲間を迎える人も多いでしょう。
あるいは逆に、新期にはなったものの、相変わらずの顔ぶれでまた1年か、
と思っている人もいるかもしれません。

そこで、以降数回にわたって、 「上司をマネジメントする」シリーズをお送りします。
上司/部下間の人間関係づくりにつき、マインドのリセットを行うヒントとしてください。

念のため書き加えますが、
“部下が”上司をいかにマネジメントするかというテーマです。
(上司が部下をマネジメントするという方向ではありません)

「上司をマネジメントする」という発想・実践は、
職場のダイバーシティ(人種の多様性)の進む米国でいち早く発展しました。
米国では、上司が年下であったり、女性であったり、
人種の異なる人であったりすることはよくあることですし、
また(これは国を問わず)「モンスター」と呼ばれる難物・変人・奇人の上司も多い。
ですから、部下側のほうが上司との人間関係をうまくマネジメントしてみる、
そんな意識が早くから芽生えたと考えられます。

そしてさらには、部下が上司をうまく活かす能力というのは、
リーダーシップとは対になる概念=「フォロワーシップ」であるとした研究が
上司マネジメントへの注目をいっそう集めさせる結果となりました。

米国では、書店の棚に行くと「How to manage your boss」とか
「Managing upward」などといったタイトルをよく見かけます。
また、大学院の中には、いわゆる「ボス・マネジメント」を
MBA(経営学修士)コースの科目にしているところもあります。

「賢い部下ほど上司を活かす」―――では、上司マネジメントの本題に入ります。

* * * * *

◆「上司」とは何か?
ここに「1」「2」「3」と書かれた三枚の数字カードと、
「+」「-」「×」「÷」と書かれた演算カードがあります。

そして、いまあなたは、業務上の命令として「6」という数字にたどり着くことを
会社から要求されています。
さて、この三枚の数字カードと四則演算カード(この演算カードは何度使ってもよい)
を組み合わせて、あなたならどうやってこの命令を達成しますか。

・・・・・・・

これに対し、ある人は「2×3」という達成のしかたをするかもしれません。
また、ある人は「1+3+2」、
さらに別の人は「3×2÷1」とするかもしれません。
「6」へのたどり着き方はさまざまあります。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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