商社マン しんちゃん。 走る! (33)

2010.01.11

営業・マーケティング

商社マン しんちゃん。 走る! (33)

三宅 信一郎
株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

~高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ~ 1980年~90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者の商社マン生活を参考に小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。

 人間皆持ちつ持たれつ、自分のことだけを考えるだけやなく、
 お互い相手を何とか楽にしてあげようという意識が大事なんや。
 それが働くということや。
 事業やら仕事っちゅうもんの肝はな、自分がこうしたい、あー
 したいみたいに自分が中心で考えることや決してないぞ。
 自分を取り巻く人々のことをよう考えて、その人々に誠心誠意
 貢献しようという意識がとても大事やということを肝に銘じて
 置いてな」 

 
人通りが途切れた美しいイチョウの木の下のベンチに二人は座った。
後ろには黄色にそまった美しいイチョウの森が広がっていた。

「宮田君。私ね。実は悩みがあるんだ。聞いてくれる? 私、4年生
 の大学を卒業してすぐに大日本商事に入社し、今の重工プラント
 本部の機械・プラント部第3課に配属されてもう5年がたつでしょ? 
 うちの部の人は皆、口は悪いけど、本当にいい人ばかりに恵まれて、
 特に職場環境として何も文句が無いほど素晴らしい環境で日々楽しく
 仕事をさせてもらっていはいるんだけど、このままで自分はいいの
かなって、ふと思うときがあるの」

篠原はさらに続けた。

「私ね。正直言うとね、自分自身もっとクリエイティブな仕事を
したいなとなんとなく思い始めているの。 
 大日本商事に入社したころは、 事務職で終わって、その過程で
 かっこいい商社マンを捕まえて寿(ことぶき)退社が出来ればそれ
 でOKって感じだったの。

 だけど、商社に入って、たとえば宮田君なんかを見ていると、ビジ
 ネスの色々な局面を見れば見るほど、自分ももっとプロジェクトを
 起こす最初のとっかかり、いわゆるマーケティングやビジネス
 プロデュース的なところからやりたいなと思うようになってきたの。 
 覚えている?

 宮田君が配属食後、私も一緒にマイクさんに誘われて赤坂で飲み
に行ったよね。
 あの時に、マイクさんがマーケティングの重要性を話したでしょ。
 あれ以来マーケティングに興味を持って、いろんな本を読んでいる
 のよ」

宮田は、その後篠原と2人だけで自由が丘まで移動して、ワン
ショットバーでテネシーバーボンウイスキーのロックを酌み交わして
いた。  

意気投合してバーボンの盃はどんどん進んでいた。

バーのカウンターでうとうと寝てしまい、気づいたら篠原麗子の姿は
なかった。

次号に続く。

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三宅 信一郎

株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

事業力強化・新規事業開発・創業支援コンサルタント 自動認識基本技術者 (JAISA:(社)日本自動認識システム協会)認定

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