空前のランニングブームに「自然体で走る」ことについて考える。

2009.11.02

ライフ・ソーシャル

空前のランニングブームに「自然体で走る」ことについて考える。

野口 克彦

先日、久しぶりに皇居周辺に足を運んだのですが、実に多くのランナーがランニングを楽しんでいました。その光景に「空前のランニングブーム」を実感しましたが、多くのランナーをみて、ふと、もう少し「自然体」で走れば楽なのに・・・と感じてしまいました。 ということで「自然体」に関する話題でも。。。

私たちは、よく「自然体」という言葉を耳にしますが「自然体」とは一体どのような状態のことを指すのでしょうか!?そして「自然体で走る」とは一体どのような状態を指しているのでしょうか!?

「自然体」と聞くと「全身の力が抜けた状態」であると思われがちですが、実は「上虚下実」な状態が自然体であるといわれています。

「上虚下実」とは、下半身はいわゆる腰の入ったしっかり安定した状態にあり、上半身はいわゆる肩の力が抜けたリラックスした状態であるとされ、この「上虚下実」こそが、全てのスポーツの基本となるといわれていますが、特にランニング動作においては、「上虚下実」の視点を変えた「末虚中実(注)」が基本であると私は考えています。

つまり、自然体で走るということは、「末虚中実(注)」な状態で走るということになる訳です。

■自然体で走るためには・・・


ランニング(動作)は、体幹部(いわゆる胴体)に付着している両手・両脚(四肢)を交互に動かしながら前方へ移動する運動であり、身体の中心である腰に意識を集中させ、しっかりと安定した状態を保った上で、四肢はリラックスした状態でより大きく動かすことが重要となります。

つまり「身体の中心から末梢へ向かうにつれ力が抜けていること」がランニング動作の基本であるといえるのです。

スポーツパフォーマンスを向上させるためには動的柔軟性を高めることが重要であり、動的柔軟性を高めるための一つの手段としてダイナミックストレッチング(動的ストレッチング)が有効であることがしられていますが、「上虚下実」ならびに「末虚中実(注)」な状態は、動的柔軟性を高めることで獲得(習得)出来るのではないかと考えられます。

そこで、自然体、いい換えれば「上虚下実」ならびに「末虚中実(注)」と動的柔軟性、ダイナミックストレッチングとの関係について考察してみたいと思います。

■体幹部を安定させるために・・・


まず体幹部の安定性を意味する「中実」を創るためにはどうしたら良いのか考えていきたいと思います。

「ねばり腰」や「腰砕け」などという言葉をよく耳にするように、「腰」は人間の身体の状態を端的に表す部位であるといえ、体幹部の安定性を獲得する上で「腰」の安定性は重要な要素であると考えられます。

そして、「腰」という字は、身体を意味する「月」に「要(かなめ)」と書くことからも分かる通り、腰は身体の中心(中核)をなすものであり、最も重要な部位であると古くから考えられています。

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