身体に痛みが生じたら温めるのか?冷やすのか?~その2~

2009.11.01

ライフ・ソーシャル

身体に痛みが生じたら温めるのか?冷やすのか?~その2~

野口 克彦

パーソナルトレーナーという職業柄か、当方は「身体の痛みに対して温めた方がよいのか、冷やしたほうがよいのか」という質問を受けることが多々ありますが、実際のところ多くの人は身体の痛みに対してどのように対処したらよいのか分からないのではないでしょうか。ということで前回に引き続き今回も身体の痛みに対する対処法について簡単にご紹介させて頂きたいと思います。

まず前回のおさらいから。
●身体のある部位が急激に痛み出したら、まずは「冷やし」その後、医師の診断に基づく適切な治療を施した後に、冷却と温熱を活用することが痛みに対する適切な対処法である。

●冷却と温熱の目安としては、受傷直後から2~3日間は冷却(もちろん、この間には医師の診断・治療が含まれる)、3日後位からは温熱を施すとよい。

●急性の痛み、あるいは亜急性の痛みに対しては冷却を、慢性的な痛みに対しては温熱を施すとよい。

痛みに対して冷やした方がよいのか、温めた方がよいのか、疑問を感じている人も多いと思いますが、上述した通り「冷却」も「温熱」も痛みに対する適切な対処法であり使い分けが重要であるといえます。

ということで前回は受傷部位を冷やすことの意義、目的について簡単に説明させて頂きましたので、今回は受傷部位を温める意義、目的について簡単に説明させて頂きたいと思います。

■なぜ痛みが生じている部位を温めるのか!?


受傷部位を温める目的は、受傷部位の組織の温度を上げることで代謝を促進させ、回復に向かっている組織(筋、腱、等)に、付加的に酸素を供給するための血流量を増加させることであるといわれています。

また、受傷部位を温めることによって鎮痛、筋の弛緩、鎮静といった効果も得られることが明らかにされています。

炎症(反応)が治まり、回復に向かっている組織では浮腫の軽減や代謝を促進させる必要性があり、そのためには血流量を増加させる必要があるのです。

これらのことから、受傷後慢性期に入った段階での対処法、ならびに慢性的なスポーツ障害の対処法として温熱は適切であるということになる訳です。

■リハビリテーションプログラム実施段階における温熱の意義


慢性期に入った段階においては、リハビリテーション(プログラム)が開始されることになる訳ですが、リハビリテーション(プログラム)実施時においても温熱と冷却は重要な要素であるといえます。

リハビリテーションプロセスの第一ステップにおいて最も重要なポイントは、関節可動域を向上(確保)するためのエクササイズを行なうことであるとされていますが、受傷部位ならびにその周囲の関節の可動性は、受傷直後からの安静や固定等の対処によって著しく低下していることがあります。

従って、まずは何よりストレッチング等の各種エクササイズによって関節可動域を向上(確保)させる必要性があるのです。

この時、温熱によって組織の温度を上昇させることで、関節の動きを滑らかにするための潤滑剤の役割を担う「滑液」の分泌を促すことが可能となります。

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