商社マン しんちゃん。 走る! (31)

2009.10.24

営業・マーケティング

商社マン しんちゃん。 走る! (31)

三宅 信一郎
株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

~高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ~ 1980年~90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。

「全然怖くなんかありませんよ。
 だって空襲警報が鳴っているということはイラクの戦闘機がどこ
 かに爆弾を落としてイラクに向かって帰って行ったということを
 表しているというのはこの国の常識だからね。
 イランのレーダーはソ連製でとても性能が悪くってね。
 音速で国境を越えてぶっ飛んでくるアメリカ製の最新鋭のイラク
 戦闘機なんか、とてもじゃないがリアルタイムに探知なんかでき
 ないんですよ。
 雷と同じです。落雷の音を聞いたってことは、既にどこかに雷が
 落ちていて、自分には落ちていない、つまり生きているんだとい
 うことがわかるじゃないですか。 それと同じっすよ。」

 < なるほど・・・ >

と、思いながらも、それを聞いた宮田はぞっとした。

 < ちゅうことは、音速を超えて攻撃してくる戦闘機っちゅのん
   は、理論的にはその爆音が戦闘機の後からついてくるわけで、
   襲われるときには、まるで忍者のように音もなくどこからと
   もなく現れて、そっと近くに忍び寄ってきて、気づく前に瞬
   間的にやられてしまうわけか! >

実戦の迫力を前に、呆然とした宮田であった。

「宮田君。ゴルフはやめようか? なんだか興ざめだ」

支店長はそういってクラブハウスにとぼとぼと向かっていった。

宮田も同感であった。

宮田にとって初めてのゴルデビューは、日本から遠く離れたイラン
の地で、それも空襲警報の中でのほろ苦いデビューとなった。
エンタテイメントの楽しさからほど遠いゴルフとなって、スコアど
ころではなかった。

次号に続く。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

三宅 信一郎

株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

事業力強化・新規事業開発・創業支援コンサルタント 自動認識基本技術者 (JAISA:(社)日本自動認識システム協会)認定

フォロー フォローして三宅 信一郎の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。