コンサルタントは、BtoBとかBtoCとか言ってる場合なのか?

2009.04.14

仕事術

コンサルタントは、BtoBとかBtoCとか言ってる場合なのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

なぜビジネスメディアの情報は、朝礼のネタ程度にしかならないのか? なぜコンサルタントの書いた書類は、現場に響きにくいのか? BtoBビジネスで行き交うコトバについて、考えてみる。

「良い読み手ほど、良い書き手となる」

と言ったのは、作家・井上ひさしさんである。

インターネットの出現によって、誰もが書き手となれる時代がやってきた。「読み手」と「書き手」の境目がなくなってきたのだ。

それは、流通市場で捉えても同じ事。
「売り手」と「買い手」の境界線が曖昧になってきた。
だって、誰もが、「売り手」になれる環境があるのだもの・・・。
井上ひさしさんになぞって言えば、「良い買い手ほど、良い売り手になる」「良い売り手ほど、良い買い手になる」という理屈も、ありだ。

だから・・・

BtoBかBtoCかという、二律背反したビジネスモデルの議論も、ビジネスメディアの立ち位置も、きっと古くさいものになっていくに違いない。

企業から報酬をいただくコンサルタントの言葉が、その企業や経営者に向かって発信されるのは、構造的に仕方ない。

しかし、BtoBと割り切った言葉の数々が、現場を動かす原動力になるのだろうか。ビジネス誌なのか、一般紙なのかという、媒体ありきのメッセージや理論に、何の創造性があるのだろうか・・・。
私には、よくわからない。

コンサルタントが向かう経営者本人や、現場の人々の向こうには、必ず幾百万の消費者が居る。

これからの、コンサルタントの持つべき言葉は、その目の前にいる経営者や現場の人々を通じて、その先のマーケットにも届くようなレンジの長さと力強さを持つべきだと考える。

だから、コンサルタントの言葉を考えるとき、大事なのは・・・、

軽いか・・・重いか・・・ではない。
BtoBかBtoCか・・・メディア選択の話ではない。
あくまで言葉が、「届いているか届いていないか」。
を指標にすべきである。

「良い読み手ほど、良い書き手となる」。真理だ。
だから、、、
良い読み手ならば、どんなメディアだって楽しめる。
良い読み手ならば、どんなゴシップからでもビジネスを語れる。
良い読み手ならば、どんな未熟な現場も輝いて見える。
それが、「良い書き手」となる条件だと思うのだが。

コンサルタントの言葉は、その企業に、そのメディアに、1人でも多くの「良い読み手」を発掘し、収益に繋げる示唆になるべきだ。

コンサルタントは、「良い書き手」である前に、「良い読み手」であるべきだ。「良い読み手」であるなら、どんな事象、どんなメディアからでも、本質を見抜き、考え、心ある言葉が遺せるはずである。

BtoBとか、BtoCとか、そういうことにこだわってばかりいると、これからの時代に必須だと言われる「クリエイティブ」の議論から取り残されることになると思う。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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