ビジョナリーハンドブック(0):イントロダクション

2009.01.05

経営・マネジメント

ビジョナリーハンドブック(0):イントロダクション

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

今年の正月休み、 私はあえてインターネット、パソコンから遠ざかり、 以下に示したタイトルの本を読み返していました。 『The Visionary's Handbook:Nine Paradoxes  That Will Shape The Future of Your Business』 この本は、企業として、また個人として、 不確実な未来に対してどのように行動すべきかについて 有益な示唆を与えてくれるガイドブックです。

変化が激しく、一歩先さえ見えない、
そんな混沌とした今、こんな本が必要とされているのでは
ないでしょうか?

というわけで、ずいぶん前から本書の内容をご紹介したいと
考えていましたが、いかんせん翻訳版がありません。

残念ながら、洋書を読み、その内容をすらすらと
要約することは私の能力を超えています・・・

そこで、この正月にじっくり読み直して十分に準備し、
ようやく年明けからご紹介できるというわけです。

ちょっと難しい内容ではあります。

でも、理解しにくい点があったとしたら私の責任です。
どうかご指摘くださいね!

“Welcome to the Age of Possibility”
   -可能性の時代へようこそ-

Visionary's Handbookの第一章の冒頭は、
この文で始まっています。

現在でも、
自分が生まれた場所・家、育った環境などに基づく
様々な制約があります。

それでも、以前に比べると私たちははるかに自由な
生き方ができますよね。すなわち、

・自分(自社)は将来どうなりたいか
・何をしたいか
・何を知りたいか
・どこに行きたいか

といったことについて多くの選択肢があります。

ただ、自分(自社)の可能性が拡がった分、
自分の進むべき方向を自ら決めなければならなくなりました。

自由だからこそ、可能性が大きいからこそ、
むしろ不確実な未来に立ち向かわなければならない
というのはある意味皮肉なことです・・・

でも、生まれ持っての宿命や運命に従うしかなかった
時代はとうに過ぎ去っています。

次々と生まれる新たな思想や技術、体制によって、
これまでの古い思想や技術、体制が破壊(更新)され続ける今、
周囲の環境変化に対して、

「受身」

でいるだけではただ翻弄されるばかりです。

自分(自社)は、自らの運命の管理人となり、
周囲の変化を能動的に乗り切ることが求められているのです。

Visionary's Handbookでは、
未来を予測する方法を教えてくれるわけではありません。

そもそも、未来を正確に予測することは不可能です。
とりわけ変化が加速している現代においては・・・

しかし、将来を予測することを止めてしまうのでは
ありません。

物事が変化し続けることを「常態」として受け入れ、
将来の変化についての予測を頻繁に見直しつつ、
柔軟に自分(自社)の行動も変化させていくのです。

以前のように、例えば10年先の未来を予測したら、
それを固定的なものとしてみなし、現在にさかのぼって
今後10年間の活動計画を立てるという方法は、
もはや役に立たないということですね。

次のページ「パラドックス」(矛盾)

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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