ビジョナリーハンドブック(2):毎日のパラドックス

2009.01.08

経営・マネジメント

ビジョナリーハンドブック(2):毎日のパラドックス

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

ビジョナリーハンドブックの著者は言います。 “私たちは、複数の現実(multiple realities)が、  同時に真実であり、また信頼できる世界で生きることを  学ばなければならない。” これは、前回の冒頭に述べたこと、つまり、 「この世の中に、絶対的な真理や正解はない」 ということを受け入れましょうということですね。

具体的な例を挙げましょう。組織の規模についてです。

・組織は大きいほうがよい
・組織は小さいほうがよい

どちらが真理でしょうか、あるいは正解でしょうか?

答えは、どちらも真理であり、正解といえます。

組織は大きいほうが、
簡単には外界の変化の影響を受けにくく、
安定しています。

一方、組織は小さいほうが、
外界の変化に対して機敏に対応できます。

どちらにも優れた点(同時に弱点も)があるので
どちらが正しい、間違っているということは言えません。

もちろん、時と場所、場合によって、
どちらがより最適かというのはありますけどね。

さて、ビジョナリーハンドブックでは、

日々直面する矛盾=
毎日のパラドックス(Paradoxes of The Everyday)

として以下の7つのパラドックスを挙げています。

-------------------------------------

1 価値のパラドックス
- The Paradox of Value -

2 規模のパラドックス
- The Paradox of Size -

3 時間のパラドックス
- The Paradox of Time -

4 競争のパラドックス
- The Paradox of Competition -

5 行動のパラドックス
- The Paradox of Action -

6 リーダーシップのパラドックス
- The Paradox of Leadership -

7 レジャーのパラドックス
- The Paradox of Leisure -

-------------------------------------

今回は、この7つのパラドックスそれぞれについて
ポイントを簡単にご紹介しておきます。

1 価値のパラドックス

商品が本来の持っている固有の価値は、
ますます低下している。

商品の価値は、
ニーズの有無やニーズのタイミングで決まる。

2 規模のパラドックス

あなた(会社)が大きければ大きいほど、
小さくならなければならない。

一方、あなた(会社)が小さければ
小さいほど、大きく見えなければならない。

3 時間のパラドックス

光の速さでは何も起こらない。

短期的な成功のためには、
長期的に考える必要がある。

現在は未来に抵抗する。
したがって、現在と未来の両方を
同時に考慮しなければならない。

4 競争のパラドックス

あなたの最大の競合は、
あなた自身の未来に対する見方である。

敵は、外側だけでなく内側にもいる。

5 行動のパラドックス

あなたは、手に入らないとわかっているものを
目指さなければならない。

次のページ6 リーダーシップのパラドックス

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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