チャート作成トレーニング:図解の技術~基礎編~

2008.11.02

仕事術

チャート作成トレーニング:図解の技術~基礎編~

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

前回、メッセージについてご説明差し上げたので、今回は図解の技術です。図解に関しては、みなさん相当な関心をお持ちだと思いますので、図解をする際のポイントをご説明差し上げます。

 資料を見ていて、解読が必要な図解をたまに見かけます。一体、何を読み手に伝えたいのかがわかりにくい図解です。

 そして、メッセージと関係の薄い図解も見ていても頭が痛くなります。

 これはおそらく、なぜ図解するのか?図解の役割はなんなのか?ということの理解に問題がありそうです。

 そもそも論で行きますと、チャートの目的は、そのチャートを見た人になんらかのアクションをしてもらうためです。資料を使って提案をしているんですね。

 当然、ご参考程度のチャートもありますよ。ただ、伝えたいことを伝え、なんらかの意思決定をもたらし、アクションをもたらすという以外の情報のあり方はビジネスにおいては無意味です。

 そして、その伝えたいことを伝えるために、チャートにはタイトル、メッセージ、図解の3つの要素があります。

 メッセージに関しては、前回書きましたね。「ワンチャートワンメッセージ」という記事http://www.insightnow.jp/article/2216ですね。

 メッセージは伝えたいことそのものですね。基本的にはそら、あめ、かさの順序で書きます、というのも前回ご説明しました。

 それで、それをよりわかりやすく伝えるために図解をします。

 図解とは、「メッセージをわかりやすく伝えるため」に書くんです。

 メッセージをわかりにくくしている図解を数多く見かけます。メッセージが書いていない、よくわからないチャートで図解しかない場合に、その図解がよくわからないと理解不能です。

 まず、文章でメッセージを書いてください。そして、そのメッセージを図解してください。

 脱線しますが、システム系コンサルティングの教えであまり正しさを感じない思うのは、いわゆる「田の字で言うと?」という質問です。

 マトリックスのことをシステム系コンサルティングでは「田の字」と言うカルチャーがあるところがあります。それで、メッセージをマトリクスで伝えてみると?という問いなのですが、私はあまり正しい言い方だと思いません。

 マトリクスというのは、クリティカルな分析軸が2つある場合に、使いますよね。それ以外の場合は、また違った表現方法があります。

 マトリクスにすると、さもわかったような気になる、伝えたいことを伝えたような気になってしまいますが、メッセージをよくよく考え抜いてみると、適切な図解はマトリクスでないことのほうが多いと思います。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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