世界を変える会社の作り方~4~

~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~  会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。  私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。

 世界における一番重要な認識は、「幸福の無限性」だと思います。富や幸福に、奪い合うものはないということです。それは自ら創り出すものです。金も奪い合うものではない。足りないという視点に立ったとき、幸福はおのずと遠ざかります。自分には自分のミッションとバリューがあります。この認識こそが本当の自己の確立なのだと思います。

 経営者としての仕事の本質は、自己を含め組織に関わる人々の個別のミッションを把握することだと思います。それを組織の経営資源として「有機化する」ことこそ、マネジメントの定義ではないでしょうか。

 では、私自身のミッション、つまり使命は何だったのか。

 それは、「知の構造化・有機化によって、世界がすべてつながっている一つの存在であることを証明すること」だと自覚しています。

 そのために私が授かった力が、「メタ思考」だと思っています。メタ思考とは、一見、無関係の複数の現象に対し、その深いレベルで、共通性、有用性を見出す思考力のことです。たとえば、倫理と経済にはどういう因果関係があるのか、そこに共通性を見出す力のことです。これは曖昧かもしれませんが、自分の中では明確になっている概念です。

 このような私のミッションから、「切り口」を分かち合うことをミッションとする、「知の流通ファーム」としてのシェアーズが誕生したのです。

 動機としての社会的価値の追求と、強みとしてのミッションの交点に「ビジョン」があります。

 シェアーズは今、金融事業として「100万人に正しい知識と情報を正確に伝える」というミッションを持っています。さらにもう少し大きなビジョンが、末端価格2兆円の知の流通ファームの創造です。それが、シェアーズが目指す具体的・最終的な姿です。
 
 ビジョンには個人ベースのものもあるし、法人ベースのものもあります。個人としてそれを目指すことが「独立」。法人化してそれを目指すことを「事業」といいます。

 このフレームワークにおいては、すべての経験、知識、人、モノ、カネという経営資源は手段にすぎません。事業というのは、ビジョンへの道のりを歩む「過程」と定義されます。その意味では、事業は決してエコノミックなもの(経済的行為)でなくてもいいわけです。ビジネスを常に経済的行為と考えるのはナンセンスだと思うのです。

 実は、世界の共通理解とオペレーションは、経済から離脱しつつあると考えています。経済とは何かと定義すると、それは貨幣を中心とするコミュニケーションネットワークとなります。けれど経済的な欲求というのは、究極的に追求すべきハピネス(幸福)の、一つの従属変数に過ぎません。つまり、ほかにもハピネスの変数はあるということです。

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