社員とは何か、国民とは何か ――私たちはいつから、自分たちの未来を「誰かの仕事」にしたのか

2026.09.22

組織・人材

社員とは何か、国民とは何か ――私たちはいつから、自分たちの未来を「誰かの仕事」にしたのか

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

あなたは、本当に「社員」だろうか。 会社から給料をもらっている、という意味ではない。 自分が所属する会社が、5年後、10年後にどうなっているのか。その会社がこれからも顧客に必要とされるのか。若い人が育っているのか。社会にどんな価値を残すのか。 そうしたことまでを、自分の問題として考えているだろうか。 そして、もう一つ聞いてみたい。 あなたは、本当に「国民」だろうか。

「自分の声では変わらない」という感覚

この問題を考えるうえで興味深いデータがある。

OECDの2024年の調査では、自分が政府の行動に「発言権を持っている」と感じる人のうち、69%が国の政府を信頼していた。

一方、「発言権がない」と感じる人で政府を信頼する割合は22%にすぎなかった。

これは日本だけの数字ではないが、非常に示唆的である。

人は単にサービスを受けるだけでは、その組織を信頼するようにはならない。

自分の声が届く。
自分も意思決定に関与できる。
自分がその場をつくっている。

その感覚が、信頼と深く結びついている。

これは企業でもまったく同じではないだろうか。

「意見を言っても変わらない」

「自分には決定権がない」

という経験を積み重ねるほど、人は会社の未来から距離を置いていく。

その結果、会社は社員に、

「もっと当事者意識を持て」

と言う。

しかし、これは順番が逆なのかもしれない。

当事者として扱われない人に、当事者意識だけを要求することはできない。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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