社員とは何か、国民とは何か ――私たちはいつから、自分たちの未来を「誰かの仕事」にしたのか

2026.09.22

組織・人材

社員とは何か、国民とは何か ――私たちはいつから、自分たちの未来を「誰かの仕事」にしたのか

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

あなたは、本当に「社員」だろうか。 会社から給料をもらっている、という意味ではない。 自分が所属する会社が、5年後、10年後にどうなっているのか。その会社がこれからも顧客に必要とされるのか。若い人が育っているのか。社会にどんな価値を残すのか。 そうしたことまでを、自分の問題として考えているだろうか。 そして、もう一つ聞いてみたい。 あなたは、本当に「国民」だろうか。

そしてAIが「ただのワーカー」に問いを突きつける

さらに、この問題はAIの登場によって急速に現実味を増している。

世界経済フォーラムの「Future of Jobs Report 2025」では、2025年から2030年までの間に、現在働いている人々のスキルの平均39%が変化するか、陳腐化すると予測している。

特に減少が予想される職種には、事務職、秘書、データ入力、銀行窓口など、定型的な処理を中心とする仕事が並ぶ。

ここには皮肉な現実がある。

これまで、

「言われた仕事だけを正確にやる」

ことは、安全な働き方だった。

余計な責任を背負わない。

余計なことを言わない。

自分の担当範囲から出ない。

それでも評価され、給料を得ることができた。

しかしAI時代には、その働き方そのものが最も機械と競合しやすい。

つまり、

安全を選び続けた結果、安全ではなくなる。

これが「ただのワーカー」に成り果てた先に待っている一つの現実である。

ただし、もっと怖いのは仕事を失うことだけではない。

長年、与えられた仕事だけをこなしていると、人は少しずつ、

問いを立てる力。

考える力。

判断する力。

人を巻き込む力。

未来を想像する力。

自分で仕事を生み出す力。

を使わなくなる。

そしてある日、会社という看板を外したとき、

自分には何が残っているのか。

その問いと向き合うことになる。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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