2026.09.22
社員とは何か、国民とは何か ――私たちはいつから、自分たちの未来を「誰かの仕事」にしたのか
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
あなたは、本当に「社員」だろうか。 会社から給料をもらっている、という意味ではない。 自分が所属する会社が、5年後、10年後にどうなっているのか。その会社がこれからも顧客に必要とされるのか。若い人が育っているのか。社会にどんな価値を残すのか。 そうしたことまでを、自分の問題として考えているだろうか。 そして、もう一つ聞いてみたい。 あなたは、本当に「国民」だろうか。
「この会社をつくる側」に回りたい人も減っている
パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査2026」では、「現在の会社で管理職になりたい」と答えた人は**15.7%**だった。
2017年には21.7%だったものが、長期的には低下している。
もちろん、管理職になりたくないこと自体を批判するつもりはない。
専門職として生きる人もいてよいし、管理職という仕事そのものの負担が重くなっている問題もある。
しかし一つの象徴として見るなら、
「この会社を背負う側に回りたい」
という意識が弱くなっているとは言えるだろう。
同じ調査では、「他の会社に転職したい」が22.8%、「転職は総合的に見てよいことだと思う」が71.0%、「転職は成長につながる」が74.3%である。
これも、転職が悪いという話ではない。
むしろ選択肢が増えたことは望ましい面もある。
ただ、ここから見えてくるのは、会社と働く人との関係の変化である。
かつては、
「この会社の中で、自分も会社も成長する」
という物語があった。
それが、
「自分が成長するために、どの会社を選ぶか」
へと変わってきた。
会社は社員を「人的資本」と呼び、能力や生産性や市場価値で見る。
社員も会社を、給与、待遇、キャリア形成、スキル獲得の場として見る。
双方が合理的になったのである。
しかし、その合理性の中から、
「この会社を一緒につくる」
という感覚だけが抜け落ちていった。
CHANGE
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株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
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