第三革命の足音:閉じた民主主義の限界

画像: 古代ギリシアの民主主義

2025.05.02

経営・マネジメント

第三革命の足音:閉じた民主主義の限界

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/これまでにも、封建貴族に対する富裕市民の第一革命、資本支配に対する労働者の第二革命があった。そしていま、民主主義に対する排除者の「第三革命」の足音が近づいてきている。/

「ゲームチェンジャー」というのは、既存のゲームで、その勝利を得られるようにするものではなく、ゲームそのもの、勝利条件そのものを根本からひっくり返すパラダイム転換の悪魔だ。当然、それは、まず第一に既得権を解体する。このすばらしい安定した世界に安住して、おとなしく短期経営権の順番待ちをしている御長老たちには、とうてい認められるものではない。株価が下がる、世界経済が大変なことになる、大規模戦争を引き起こす、等々、ひたすら狼狽して、金切り声を上げる。

帝国主義の大国クラブに対して、出遅れた日独伊が反旗を翻したとき、やはり出遅れた米ソを差し向けて同士討ちにし、これをどうにか潰して、既得権は温存された。しかし、現代の閉じた「民主主義」に対する排除者の不満は、はるかに規模が大きく、多重的で複雑だ。現代の御長老クラブは、また排除者内部の対立を煽って、なんとか自滅させようとするのだろうか。しかし、そのとき、いったいだれが実際に働いて、社会を維持するのだろうか。いや、結局、だれも現場で働かない、口先の議論ばかりの民主的なジリ貧の未来が待っているのかもしれない。


純丘曜彰(すみおかてるあき)大阪芸術大学教授(哲学)/美術博士(東京藝術大学)、東京大学卒(インター&文学部哲学科)、元ドイツマインツ大学客員教授(メディア学)、元東海大学総合経営学部准教授、元テレビ朝日報道局ブレーン。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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