サンタの引っ越し

2022.12.14

ライフ・ソーシャル

サンタの引っ越し

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/地球環境も大切ですけど、まず自分の体を大切にしましょうよ。そうして、いつまでも元気で長生きしてくださいね。それがみんなの願いなんです。/

「言われてみれば、そうかも……」

「だからさ、冬場でも暖房がいらないところを探してたんだよ」

「ああ、そういえば、親分、もともとトルコの出で、その後、南イタリアで暮らしていたんでしたね」

「いや、どこでもいいんだけどね」

「でも、夏場に冷房するところもダメですよ」

「そういうことになるな」

「それから、街中や目立つところもダメ。場所が知られて有名になってしまったら、年がら年ちゅう観光客が来て、子供のオモチャ作りどころじゃなくなってしまうから」

「うむ、それもそうだ」

「そうなると、世界中、そんな都合のいいところなんか、そうそうありませんよ」

「こまったな……」

「あ、そうだ、親分、中東の砂漠ほうはどうです?」

「それこそ、暑いんじゃないのか?」

「それが、うちらと同じ青い一族で、すっごいでっかいやつが、砂漠で壺の中に住んでるんですよ」

「壺? 大男が壺の中なんかに住めるのか?」

「ええ。でも、ランプだったかな。まあ、なんにしても、あれ、うまく熱気を逃がして、中はけっこう一年中、快適なんだそうです」

「ああ、地下式なんだろうね。トルコや南イタリアでも、そういう家を見たことがあるよ」

「それなら、話がはやい。どこか、いいところがないか、あいつに聞いてみましょうか?」

「うむ、よろしくお願いするよ」

「じゃあ、さっそくメールしてみますね。で、トナカイたちはどうします?」

「いっしょだとまずいのか?」

「え! 砂漠になんか連れて行ったら、サンタがトナカイを虐待!とか言って、大騒ぎになってしまいますよ。それに、あいつら、近ごろ、重すぎる! どうにかしろ! って、ただでさえ不満だらけなんだから」

「そうなのか。じゃあ、しかたない。たしかに彼らは、ここのままの方がショウに合ってるだろうから、こっちに置いていこう」

「まあ、心配ないですよ。あっちにはあっちで、空飛ぶラクダとか、いると思いますから。それも、彼に聞いておきますね」

「うん、そうだな。たのむよ。でも、ソリはどうしよう?」

「それも、ダメですね。砂漠じゃ荷車だって砂にめりこんじゃって、ムリなんだから」

「じゃあ、みんな、どうしてるんだ?」

「さあ、わたしもよく知りませんが、うちらの青い親族は、じゅうたんに乗ってましたね」

「じゅうたん? 敷物の?」

「ええ、あれもうまくやると、風に乗ってけっこうな速さで飛ぶらしいです」

「へぇ、そんなことができるのか。すごいな」

「……」

「どうした?」

「いや、もうあいつから返事が来たんですけどね……」

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

フォロー フォローして純丘曜彰 教授博士の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。