就活「超売り手市場」の終焉 ~先輩からのフェイクニュースに気をつけろ!

2019.03.15

組織・人材

就活「超売り手市場」の終焉 ~先輩からのフェイクニュースに気をつけろ!

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

人手不足倒産など圧倒的売り手市場が続く新卒学生の就活。形骸化がいわれる中、最後の経団連指針の就活解禁日、3/1を今年も迎えました。各大学や大都市では合説(合同企業説明会)が行われ、たくさんの学生であふれかえる・・・・・はずですが、実際何が起こっているのでしょうか。大学のキャリア支援の場から見てみたいと思います。

・超売り手市場で余裕の学生
私が大学教員として、学生のキャリア支援に関与し始めた15年ほど前、やはり人手不足が言われる環境でした。しかしその後世界を襲ったリーマンショックは、超氷河期と呼ばれる破壊的衝撃を就活に与えたのでした。

ひるがえって今、2020就活と呼ばれる、現学部3年・修士1年の大学生、大学院生の就活状況を一言で言えば、やはり超売り手市場。圧倒的優位な立場にある学生本意の就活といえるのは確かです。ではすべての学生はラクラク就活をやっつけているのでしょうか?

私が行っている大学のキャリア相談は、年明けとともにほぼ毎回全枠が予約で満杯状態となっています。その他個人指導の依頼など含め、多くの大学のキャリアセンター相談は、たくさんの学生で埋まっています。また3/1が始まったばかりですが、悲痛な面持ちで相談に訪れる学生は引きも切らない状態。エントリーシート(ES)が通らず、志望先を早くもあきらめようという学生もいます。

超売り手市場なのになぜでしょう?

・ガラガラの就活セミナーや説明会
大学や就活情報会社が主催する就活セミナーや企業説明会は、経団連指針はあるものの、実はすでに3/1の解禁日前に全国で行われています。一応「就活説明会」ではなく、「指針」が禁じていないキャリア勉強会やキャリアセミナーという名目で行われているものですが。

ただ、こうしたセミナーや説明会の参加状況は、私が知る限り決して芳しくはないようです。中には昨年に比べて参加学生が半減してしまったというセミナーや、学内開催なのに用意された席の6割程度しか埋まらないものも珍しくないという声を聞きます。程度に差はあれこうした事象は全国の大学で起こっているようです。

セミナーに来る来ないは全く持って学生の自由ではありますが、大学キャリアセンターも例年に比べて動員が落ちていると感じるのは全国的状況のようです。深刻なのは就活情報会社の主催する合同説明会で、大学のような母数が確保できない分、当日の動員状況は水物。3月でも雪が降るようなことがあれば一気に来場者は激減します。

結論からすると、シーズン前半の1月辺りはかなり来場者が少なかったものの、尻上がりに増えて、3月の合同説明会はかなり回復したといえる気がします。それでも従来に比べれば、動員は下がっている印象です。これは大学主催、情報会社主催を問わずです。

・すでに絞り込み始まる!?
超人手不足!といわれながらも、実は製造業、流通サービス業や接客、飲食など、一部の業界が主で、学生の多くか志望する名の通った大企業などでは、昨年も今年も決して売り手どころか、超有名大の学生であってもガンガン落としていました。一流企業・有名企業は売り手市場で無いことは明白です。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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