受け身型サービスから脱却する(1) 【連載サービスサイエンス:第35回】

画像: Kyle Kress

2017.06.20

経営・マネジメント

受け身型サービスから脱却する(1) 【連載サービスサイエンス:第35回】

松井 拓己
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

受け身型も提案型も苦戦するこれからの時代を勝ち抜くために必要なビジネススタイルの在り方を考えます。

受け身から提案型に生まれ変わろうとする企業が増えています。今の時代、受け身の姿勢で依頼通りにきっちりやるだけでは、ビジネスが伸び悩むようになりました。そこで、積極的にお客様に提案するスタイルに生まれ変わろうというものです。しかし実は、提案型のビジネススタイルの企業も苦戦しています。提案しているのにお客様からは「提案が足りない」と言われたり、提案がなかなかお客様にフィットしない。受け身型でも提案型でも苦戦する時代、今何が求められているのでしょうか。そのヒントは「お客様のニーズの変化」にありました。お客様のニーズの変化に合わせて我々が取るべきビジネススタイルを考えてみたいと思います。

「受け身型」のビジネススタイルから脱却する

昔、必要なモノが不足していた時代には、顧客のニーズはもっぱら「モノが欲しい」というものでした。車が欲しい、テレビが欲しい、ITシステムが欲しいなど。この時代には、顧客のニーズが「モノが欲しい」と明快であったため、我々は「受け身型ビジネススタイル」で十分にやっていけました。製品は基本的な性能でよく、作れば売れる。サービスは指示通りに提供すれば喜んでいただける。

「モノが欲しい」という顧客ニーズは、いずれ「よいモノが欲しい」へと変化します。顧客は画一的なモノやサービスに飽きてしまい、自分に合ったモノ、自分のためのサービスを求めるようになります。すると「受身型ビジネススタイル」のままではお客様に付加価値を感じて頂けなくて、価格競争に追い込まれたり、仕事量が減ってしまうようになります。

そこで登場したのが「提案型」のビジネススタイルです。これは、顧客ニーズに合わせて、どんどん提案をしていこうというものです。ただし実際は、顧客ニーズを直接聞くことは難しい場合もあり、顧客ニーズを推測したり、流行モノを提案するということがされています。しかし最近では、提案がお客様になかなかフィットしなくて、提案型で苦戦する企業が増えています。

「提案型」のビジネススタイルでも苦戦する今の時代

その背景には、やはりニーズの変化があります。以前はお客様に「何が欲しいですか?」「どんなサービスが受けたいですか?」「どんな機能が必要ですか?」と聞くと、的確な回答をいただくことができました。しかし最近では、モノやサービスや情報が溢れ、業務やITも高度化し、グローバル化が進んで現場が見えなくなってきています。そこでお客様に「何が欲しいか?」と聞いても、なかなかうまく答えられなくなっています。つまり、お客様自身「欲しいモノが分からない」という時代になってきているといえます。

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松井 拓己

松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。           代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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