もはや国の一大事となった感もある「働き方改革」。 この働き方改革のひとつとしての手段が「都会から地方への移住」というライフスタイルだ。
もはや国の一大事となった感もある「働き方改革」。
この働き方改革のひとつとしての手段が「都会から地方への移住」というライフスタイルだ。
移住する若者が増えている?
「平成28年度国土交通白書」によれば、2010年から2014年の5年間、都市への人口移動は継続しており、地方から都心への人口流入の流れは変わっていないものの、過疎地域で社会増(人口流入数と流出数のプラスの差による人口増)となった市町村が、わずかながら微増傾向にあるとしている。
確かに、昨今の若者の意識の変化として言われるのは、昇給や昇進願望の減少。出世などしなくて良いとする価値観の増加であり、NPOやソーシャルビジネスを志向する若者も増えていると聞く。経済的な成功ではなく、自然や環境重視、社会貢献への意識の高まりというべき現象なのだろうか。
内閣府の世論調査「都市住民の農山漁村地域への定住願望についての調査」を見ても、2005年調査に比べ2014年調査では、30代の農山漁村への定住願望が17.0%から32.7%、40代では15.9%から35.0%へと大きく伸びている。
地方移住を希望する人と地方公共団体とのマッチングを行っている「特定非営利活動法人ふるさと回帰支援センター」の実施しているアンケート調査によれば、2014年の来場者は2013年の約1.4倍となっており、その年代別の内訳を見ても、40代までの若い世代の利用者数が増加しているという。
二地域の居住
移住とまではいかなくても、地方の良さを知る人たちが、都市と地方という2つの居住拠点を持つという選択もある。
これまでの2つの地域の居住のイメージは、月曜日から金曜日をオフィスのある都心に住み、週末は自然と触れ合うために地方で過ごすというライフスタイルだろう。どちらかといえば、経済的に余裕のある人たちが、地方(といっても都心からほど近い)に別荘的な住まいを持ち、リゾートライフを楽しむというものだ。
しかし、そのようなライフスタイルにあこがれ、別荘を購入しようとする人たちは、今の若い世代にはほとんどいない。会員制のリゾートクラブが順調に会員を伸ばしているところもあるようだが、バブル崩壊後、リゾート地の購入市場は冷え切ったままだ。
同じ2つの居住を持つスタイルでも、それとはまったく逆のライフスタイルを志向する人たちが今増えている。人で込み合う平日にあえて地方で過ごし、ゆったりとした空間や環境で仕事をこなし、人の少ない週末に、思う存分都心を味わうという生き方だ。
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