「副業解禁」に飛びつきたい人へ

2018.04.09

組織・人材

「副業解禁」に飛びつきたい人へ

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

副業を解禁する企業がこれから増えていくという。会社に勤める身としてはどのように考えればいいのだろうか。「働く自由度が増す!」「収入が増える!」と喜んでいいのだろうか。

副業解禁?

副業を解禁する企業がこれから増えていくという。我々古い人間からすると違和感を覚える考え方ではあるが、一般の社員の人たちはどうとらえているのだろう?

我々の価値観としては、会社に正社員として採用されているのであれば、自分の仕事として一生懸命取り組み、副業などできる時間もないと思うわけで、そのうえで副業をするというのは、よほどの事情があるか、ほかにすごいスキルがあって(たとえばミュージシャン、エンターテイナーなど)、忙しい毎日を過ごしているという印象だ。

もともと日本の企業では副業を禁止してきた。会社と労働者の契約は一生ものであり、終身雇用どころか、親子にわたって同じ会社で働く人も少なくなかった。

良くも悪くも、終身雇用制度と年功序列が会社と労働者の関係をつくってきた。年功序列のゆえ、給料は年齢とともに上昇し、組織への忠誠心も年齢を重ねごとに高くなっていった。だから若い従業員も、「今」だけ我慢していれば、「いつかそのうち」楽になるのだと自分を無理やり納得させ、がんばってきた。

そうした状況のなかでは、副業などとんでもないことで、まさに労働者は会社に尽くすことが当然の価値観だった。

ところが、その「いつかそのうち」が現実的ではなくなってきた。

そのひとつに、日本人の寿命の伸びと労働者不足によって、企業の寿命より人の労働期間寿命のほうが長くなってしまったことがある。人の労働期間は、現在多いのは22歳から65歳の43年間、企業の平均寿命は、約23年と言われており、労働期間の半分程度しかない。

そうなれば、複数回の「転職」は、当たり前だし、一生勤め上げるほうがレアケースとなる。

とはいえ、東京商工リサーチの調査によれば、「2017年に創業100年以上となる老舗企業は、全国で3万3,069社あり、前回調査(2012年8月)より5,628社(20.5%)増加した」とのことなので、日本には、長く続く会社が非常に多い。これらの会社では、いわゆる「プロパー社員」が多いのは事実だろう。

(保有全データは約309万社ということなので、約1%が100年以上続く企業ということになる)

しかし現実は、終身雇用や年功序列は、これら100年企業においても、実質的に破綻していると言ってもいいだろう。市場全体のパイが増えないなか、企業内の競争は激化し、実力・成果に応じた人事、組織編制が行われ、実力に応じた「序列」が、大半の会社では出来上がっている。そうでなければ通用しないからだ。当然、会社に対する忠誠心や価値観も大きく変化している。

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