テレビをつまらなくした真犯人がガキ使・ベッキーや浜ちゃんを批判している

2018.01.08

組織・人材

テレビをつまらなくした真犯人がガキ使・ベッキーや浜ちゃんを批判している

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

年末特番で高視聴率だった「ガキの使い・笑ってはいけない」シリーズでのベッキー・タイキック、浜ちゃん・黒塗りについて、女性差別、人種差別という意見がインターネット中心に踊っています。「テレビがつまらなくなった」原因は、こうした批判で言葉狩りを行う人やクレーマーの存在であり、思想を浄化しようという考えだと思います。

1.ベッキーがタイキックを受けるまでの「実際」
ネット記事では実際に見もしないニュースタイトルだけで脊髄反射批判をするものも多いので、今回の番組をきちんと説明したいと思います。(「笑ってはいけない」ルールは省略)

不倫問題でCM女王と呼ばれたかつての好感度No.1タレントの地位を追われたベッキーさんは、この番組の中で出演者の一人、ココリコ田中さんの見合い相手という役で、出演者全員を笑わせ、尻バットの罰を与える役どころです。

ベッキーさんは田中さん不在中に勝手に家に入り、自家用車までカギを開けて乗り込んだ姿をインスタに上げました。そのインスタ写真をみて、出演者は全員笑ってしまい、尻バットをされる・・・という流れになりましたが、番組はそこで終わらずさらに、ベッキーさんにも勝手に罰ゲームが宣言されます。逆ドッキリで、だますはずの側が罰ゲームを受けるという、この番組だけでなくよくある手法でした。

嫌がるベッキーさんは女性キックボクサーとおぼしき人からきつい回し蹴りを食らわされ、へたり込みます。そんなベッキーさんを、先ほどベッキーさんに笑わされた結果尻バットを食らった全出演者や、女性芸人・横沢夏子さんも見て笑うという流れでした。

ちなみにダウンタウン浜田さんは顔を黒塗りにし、ビバリーヒルズコップのエディ・マーフィの扮装をしたことで黒人差別であるという批判が出ています。昔白人が黒人を演じたミンストレル・ショーを想起させるという理由とのことですが、ミンストレル・ショーとこの番組の決定的違いは、「黒人であること」「黒人の愚かさ」をビタ一文笑いにしていないことです。典型的東洋人顔の浜田さんが、無理して中途半端にちゃんとエディ・マーフィ―の扮装をするおかしさを目指しているのは番組を見ればわかります。


2.気に食わないものはすべて浄化(クレンジング)せよという思想
この番組への批判は、同じ不倫をしても男性芸人は笑いで済ませ、女性であるベッキーさんだけは清純さを求められた結果、番組でいじめを行った、不倫したからタイキックの罰を受けたのが差別であるというものです。

ちなみに東京新聞(中日)では今年初頭の特集記事で、乙武さんが不倫報道でバッシングされた件について、やはり清純さを求められる乙武さんやベッキーさんだけが叩かれ、お笑い芸人は逃げおおせたとの記載がありました。

私は政府の都合の良い情報ばかりの忖度ニュースをたれ流す報道には批判的ですが、今回は逆にどちらかといえば忖度報道に反発する立場の方から出ている意見が、ことごとく「自分たちの都合の良い一方的解釈に基づく批判」であり、気に食わない存在は消去し浄化してしまえという恐ろしい主張だと感じています。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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