「丸亀製麺」の合理性が“常識破り”と捉えられる不可解

2013.04.29

経営・マネジメント

「丸亀製麺」の合理性が“常識破り”と捉えられる不可解

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

急成長中のうどんチェーンを採り上げた番組は、その秘密を“常識破りの非効率経営にあり”とした。しかし同社は合理的であり、その合理性の範囲で十分効率的である。それを“常識破り”というなら、世間一般の“常識”のほうが間違っている。

これを効率的でないというのはあまりに視野が狭い。

むしろ感心したのは、「丸亀製麺」のシニア活用術である。中高年の従業員・パートが大半で、その分だけお客に対する声掛けや気配りが自然とできる。うどんという食材にマッチした、柔らかい雰囲気が店舗に作られているようだ。

それを支えるのは、シニアを中心とする(パートを含む)従業員の「ここで働くのは楽しい」という気持ちだろう。若者を限界まで競争させるためにブラック化した某大手小売企業とは全く違う、サービス企業のあるべき姿だ。

「丸亀製麺」の経営はユニークかも知れないが、非常に合理的である。これが“常識破り”と捉えられるのは、それだけ世間の目が、効率一辺倒や業界の常識に目を奪われて本質を見失ってしまったからではないか。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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