「リーダーシップ」とは何か、「マネジメント」とは何か… 組織変革に取り組む際にリーダーシップが侵しがちな失敗とは… これらのことを通じてリーダーシップに求められることを3つご紹介します。
立場に関係なく全社に同じ度合いでの危機感を与えてしまうと、
会社の先行きや自分の立場への不安が強くなってしまい、目の前の仕事に集中できないばかりではなく、
持っている力を出し切れない環境になってしまう。
危機感は、責任と権限とリンクした分量で分担されるべきものなのである。
過度な危機感を与えず、適度な危機感の中で一方で将来への希望も失わせてはならない。
平時のような中長期のビジョンを描くことは難しくても、3年後などのタームで、
「再度このような会社を目指したい」という目指す姿を社内に提示しなくてはならない
3.起死回生のホームラン狙い
非常時には、平時に思いもつかないような思考回路になってしまうことがある。
冷静さを失うことは最も警戒すべきことである。ここぞという場合には、自分の報酬も下げ、
オフィスや設備などの固定費も大幅にダウンサイジングし、その後の着実なる復活のシナリオを
描かなくてはならないのであるが、経営者の心の中に生まれてしまう感情が実にやっかいなものなのである。
ひとつは「見栄」の気持ち。どんなに苦しくても世間の目に触れているオフィスや、
車や、身につけているものや、飲みに行く店に至るまで身の丈に合わせて変えるということができない。
もうひとつは起死回生の「ホームラン狙い」の気持ちである。
業績の落ち込んでいる苦しい時期を早く脱して楽になりたい気持ちと、
一つ目の「見栄」の気持ちとがあいまって、
事業計画を根拠もなく普段の時よりも強気に復活のシナリオを描いてみたり、
ひどい時には現有の経営資源とアンバランスな新規事業に乗り出すような決断をしてしまう場合すらある。
新規事業というものは平時、あるいは資金に恵まれている時でさえ成功の確率は高いものではない。
右肩上がりの高度成長期で「やれば当たる」という時代ではないのである。
慎重さを欠いた新規事業への舵取でさらに業績を悪化させた例は、枚挙にいとまがない。
1. 厳しい時こそ、まずはうまくいっていることと強みに目を向ける
2. 経営に関する危機感は、責任と権限に応じて要望する
3. うまくいっていることと強みに集中して着実な復活のシナリオを描く
これが変革時のリーダーシップに求められることである。
関連記事:組織変革のプロセス(http://www.insightnow.jp/article/7442)
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組織変革
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。
