「3年で3割が辞める」の何が問題か? <1>

画像: Daniel X. O'Neil

2015.07.29

組織・人材

「3年で3割が辞める」の何が問題か? <1>

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

ヒトが辞めていくという現象にあたふたするのではなく、変化・流動を前提として何が本質の問題なのか見極めるべき。

【Envisioning Career-scape 第1景 】=======

この世は変化を免れえない。

「万物は流転する」(ヘラクレイトス)
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず・・・」(鴨長明)

そんな変化・流動が前提の世の中で、
「新卒入社者の3割が、3年内に最初の会社を辞めていくこと」
の何が問題なのでしょうか?

この人材流動化の問題は、
いろいろに語ることができると思いますが、
ここでは、私が自分の仕事を通じて、自分なりにはっきり「みえる」ことを
簡単に話したいと思います。

まず、今回は<雇用側の問題>から。

私は、働き手が最適の職を求めて流動化できるチャンスが
増えることは、基本的にいいことだと思います。

なぜなら、それによって、
雇用側の「あそこで働いてみたい」という魅力度
(=エンプロイメンタビリティ)が、顕わになるからです。

私自身、会社勤めは4社経験しましたし、
また、ビジネス誌記者として7年間、さまざまな企業をみてきましたから、
冷静に評価して、
あそこで働きたいなという会社もあれば、
あそこはゴメンという会社もあります。
明らかに、エンプロイメンタビリティの高低差が存在しています。

雇用側が、そのエンプロイメンタビリティを向上させるには
どうすればよいでしょうか?

高い技術力・差別化力を持つ、
いい給料を出す、魅力的な福利厚生制度をつくる、
若い年次から責任ある仕事を任せる、
雇用安定させる、業界で有名になる、株式公開する・・・

どれも具体的で、ある効果が期待できそうで
やったほうがいいことばかりです。
しかし、根本のものを欠いているように感じます。

それは、雇用組織側と働き手側の「目的共有」「共感」です。

トップ経営者が、

・この会社は何を使命とし、どんな理想を抱いているか、を
肉声の平易な言葉で、本気で従業員に語っていない。
(ホームページや社内報にはキレイな言葉でなにか載せてはいるが)

・ましてや、一人一人の従業員に
どう仕事と向き合ってほしいか、や
みずからの人財観、“ヒト”への思いはどんなものか、を表明しない。

社長みずからが思想をきちんと発信しないから
中間管理職も「感化」されない。
したがって、現場では気を込めて
「この職場で働くことの意義性」を語る人間がいない。

だから入社して数年内の若手は、
やれ配属のミスマッチだ
やれ上司との反りが合わない、組織が重い、仕事がつまらない、
やれネットで年収査定したら、今の給料は相場より15%も安い、、、
とそれだけで、ゲームをリセットする感じで
いとも簡単にそこを辞めて行ってしまう。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ、管理職研修、キャリア開発研修、思考技術研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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