自己分析が必要なのは、学生か採用側か?

画像: https://www.flickr.com/photos/thedailyenglishshow/17338151141/

2015.07.22

組織・人材

自己分析が必要なのは、学生か採用側か?

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

新卒採用の要諦は、人事部門が自社について深く理解し、シンプルに表現できるかどうか、にある。

グループワークをいくら面白いものにできたとしても、冒頭の凡庸な会社の説明が全体の印象を決定してしまっており、結局、選考に関わる数値は変わらなかったというケースも少なくありません。学生にとっても、どこに行っても同じような話を聞かされ、似たような顔にしか見えない会社群を前にして、それで選べというのも酷な話。選べないのは、自己分析が出来ていないからだなどと言うに至っては、ほとんど言いがかりです。

説明しようと思えばいくらでも出来るけれど、それを全部言うのでは芸がないし結果も出ません。学生が得たい情報は何か、理解できるレベルはどの程度か、こちらが望む人材が反応する内容とは、自社を端的かつ分りやすく伝えることができるポイントは何か、などを徹底して考えなければ、短時間で学生を引き付け、会社を何となく理解したような感じを持たせ、引き続くコーナーへの意欲をかきたて、面接を受けてみたいと思わせることはできません。

そのために必要なのは、採用側、人事部門の「自社分析」です。自社分析が足りないから、他社と同じような説明に終始し、中心的なメッセージのない内容となってしまう。聞かされる学生には、全体の雰囲気くらいしか記憶に残らないし、なぜ選考に進むかという動機や理由は生まれません。もちろん、自社の分析は容易ではないでしょうが、採用成功の最も大事なところに違いありません。

「自己分析の不十分な学生は就職活動に失敗する」とは必ずしも思いませんが、「自社分析の不十分な会社は採用活動に失敗する」というのは確実なことではないかと考えます。

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「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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