リクルートの「スロー採用」に学ぶ

2009.09.24

組織・人材

リクルートの「スロー採用」に学ぶ

川口 雅裕
組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」理事長/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

リクルートの採用の特徴は、どこにあるか?

初めて知ったのですが、リクルートの採用基準は「地方」「アホ」「貧乏」の“スリーフォー”だという話があるそうです。曰く、「貧乏な地方出身者で学校の成績が良くない学生を採用すると、ハングリーだからやる気が違う」とか。正直、笑ってしまいましたし、名誉のために言っておきますが、そんなことはありません。結果として、そんな感じも分からんでもありませんが、最初からそういう人を狙って採用しているということは全くありません。

他に、リクルートの採用に関する誤解は、「めちゃくちゃに金をかけるから成功していた」というもの。OBの人たちが本などでそう書いていて、確かに昔は、その時期になるとたくさんのリクルーターを投入し、費用のかかる方法で集客し、食え・飲め・歌えとやって、イベント、入社式は豪勢で・・・、とお金はかけていましたが、だから成功したわけではありません。バブル期を含めて、そんな会社は他にもたくさんあって、リクルートだけが飛びぬけて費用をかけていたわけではありません。

リクルートの採用の特徴は「スロー」であることです。
選考のテンポが遅いのではなく、会社のことを理解させる、相手のことを理解するために会って話している時間や回数がすごい。何回も呼び出して、とにかく沢山の社員に会わせる。何回の面接で合否を決めるというルールよりも、相互理解を深めることを重視するので、人によって面接・面談の回数が違うのも当たり前のことになっています。ベルトコンベアー式の効率を求めず、一人ひとりに丁寧に手間暇をかける姿勢は、恐らく他を圧倒しています。

適当な相互理解とルールに則った画一的な選考プロセスではなく、理解し合うことにこだわってコミュニケーションをとり続けるというスタイル。瞬間的には難しいと思っても、その学生の良いところを時間をかけて見ようとする、場合によっては、何回か会ううちに育ってくるんではないかとか、そんなことも普通に会話されるほど丁寧に会い続ける。リクルートの新卒採用が成功している(と言われる)のは、こういった「スロー」な姿勢にその秘訣があると言えます。

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川口 雅裕

組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」理事長/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革・健康経営など)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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