3年B組金八先生の歴史的名場面から考える近頃の『世情』。

2010.09.17

ライフ・ソーシャル

3年B組金八先生の歴史的名場面から考える近頃の『世情』。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

3年B組金八先生が始まったのは、1979年の秋。30年以上前になるわけである。そのシリーズは、第8(2007年秋~放映)まで続く。では、シリーズ最高傑作は・・・?名場面は?と聞かれると、大概出てくるのは、シリーズ第2の「あの名場面」である・・・。

「俺は、腐ったミカンじゃねぇー」
「加藤っ!松浦っ!」


お笑い芸人が必ず金八先生の物真似をする時に使うセリフも、校内暴力をテーマとしたシリーズ2から生まれたものだ。その最終回1981年3月27日の視聴率は、34.8%。ほとんどの中高生は見ていたような数字である。

そして、語りぐさとなっているあの名場面は、最終回を迎える1回前の1981年3月20日に、「 卒業式前の暴力2」に出てくる。加藤優の機動隊による連行シーンである。Youtubeに、そのシーンがいくつも紹介されているので、ぜひご覧いただきたい。いっぺんに、30年前に戻れる。それほど、よく出来たシーンである。この頃のドラマの作り込みは、ほんと丁寧だなと感心する。

http://www.youtube.com/watch?v=59GleMhJ98U
金八先生 第2期 あのシーン 世情...

このシリーズの実質的主人公であった加藤優は、桜中学校に転校後、金八先生や仲間と触れあうことにより更正を果たすのだが・・・転校前の荒谷二中の教育方針や教師達の姿勢にいたたまれず、友人達とともに、過去の非を校長に詫びさせるために話し合いの場を持つ。しかし、事は大きくなり、学校側の通報で駆けつけた警視庁の機動隊隊員に取り押さえられて連行される。

加藤優は、何も悪いことはしていない。
ただ、正しいことを伝えようとしただけだ。
でも、世の中は、それを許さない。

腐ったミカンを放り出すのがどうして指導なんですか。
…オレが放り込まれた桜中学で最初に教わった事は、良い事は良い、悪い事は悪いって事だった。これが教育ってものじゃないですか?

正論なのだが・・・結局、通じない。

金八先生も、慌て体裁を取り繕うとする教師達を説得する。
教師が生徒を信じられなかったら、誰が彼等を信じてやれるんですか!私達教師は、ミカンや機械を作ってるんじゃありません!人間を作ってるんです!

暑苦しいが、良いセリフだな。
いま聞いても痺れるっ。

そして、この名場面を鳥肌ものにした功労者は、間違いなく挿入歌である中島みゆきさんの『世情』である。1978年のアルバム「愛していると云ってくれ」の一番最後の収録曲で、70年代の安保闘争から遅れた中島みゆきさん自身が学生運動と社会へ送ったメッセージソングなのだが・・・そのやるせなさ。むなしさ。いたたまれなさは、この名場面のために作られたもののようにさえ感じる。

リフレインされる歌詞の深さを改めて考えてみる。
「シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく 変わらない夢を 流れに求めて」いる者たちと
「時の流れを止めて 変わらない夢を見たがる者たち」が闘っている姿が浮かび上がる。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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