二つの日本初を誇るお好み焼き・千房、その人材哲学とは3

画像: othree

2010.08.03

開発秘話

二つの日本初を誇るお好み焼き・千房、その人材哲学とは3

INSIGHT NOW! 編集部
南青山インサイト株式会社

お好み焼きをメインディッシュに、フルコースのディナーを仕立てる。日本で初めて「お好み焼きディナーコース」をメニュー化した千房は、その人材募集についても日本初、驚くべきやり方に挑戦していた。

第3回「人は環境が育てるものです」

■良い店を作ったら、そこで働く人間は良い人になります

「うちは、店作りに普通の倍ぐらいのコストをかけています。外観はもちろん、内装も、使う食器からユニフォームにいたるまで全部です」

最近の飲食店は、3年からせいぜい5年ぐらいで償却できるような店作りが主流だ。しかし、千房は、そんな風潮には目もくれず、断固として我が道を歩んでいる。

「10年、20年と保つ店を作らないと。安物の店を作ったら、従業員も安物になってしまいます。人は環境で育つんです。良い店を作ったら、そこで働く人は自然に良い人になります」

中井流の人材哲学がうかがえる。背景にあるのは、当初の事業環境ゆえに中井氏が自然とたどり着いた性善説ではないだろうか。

「お好み焼き屋を始めたころ、いちばん大変だったのは従業員集めです。募集しても、なかなか人が集まらない。でも、その理由はよくわっていました。いろいろな事情があって始めたお好み焼き屋でしたが、自分自身がカッコええ仕事やと思えなかったですから」

もちろん今は違う。しかし、創業当時は、従業員一人を雇うのにも苦労したのだ。選り好みをする贅沢は許されない。どんな相手であれ、来てくれた人を雇うしかなかった時代である。

「来てさえくれたら、こっちのもんです。どれだけじゃじゃ馬の女の子でも、ぷれじでんとの店に入ったら、自然にいらっしゃいませと言えるようになります。お店は着物みたいなもんです。例えどんなにやんちゃな女の子でも、しばらく着物を着せておいたら、内股で歩くようになるでしょう。それがクセになったら、たまにGパンを履いても、きれいな歩き方ができるやないですか」

良い店は、着物と同じ働きをするのだ。

「食器一つとってもそう。100円の食器と1000円の食器では質感が明らかに違うから、当然扱い方も変わります。加えて、仮に1000円の食器を一つ割ったらどうなるかを、懇々と説明します」

1000円のグラスを壊せば、それだけ利益を吹き飛ばすことになる。1000円の利益を出すためには、売上はどれぐらい必要なのか。中井社長が口にしたのは、驚くべき数字だった。

「うちは利益率が10%ですから、利益を1000円出そうと思えば1万円の売上が必要です。つまりグラス一つ割ったら、売上1万円が飛ぶ。そこを理解できれば、動き方が変わります」

利益率10%、イコール経費率が90%にもなる。店作りはもとより、素材と人材にお金をかける千房の姿勢は、数字にも表れている。

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