会社員として組織に入れば、幸か不幸か、もれなく「上司」が付いてくる! よい上司であれ、わるい上司であれ、彼らは大切な「資源」である。賢い部下はその資源の引き出し方を考える。
そして、最後に、その上司が一人間としても尊敬でき、親しくできるなら、
交流を〈3層〉レベルにまでもってきます。
仕事のもろもろの相談をはじめ、プライベートの相談にものってもらうことができるでしょう。
また、上司/部下の関係がなくなった場合にでも、
人生のアドバイザーとしてその後も貴重な存在になるでしょう。
◆要は部下がどれだけのものを引き出せるか
私たちは、上司とはそれなりに仕事経験・人生経験を持ち、
自分よりも高い給料に見合ったパフォーマンスを上げ、
人格的にも優れているという理想・べき論のもとに、その人間に仕えようとします。
しかし、その理想・べき論による上司への期待をいったん捨てたほうがいいでしょう。
―――現実の上司は欠点、不足だらけです。
ですが同時に、部下が引き出すべき資源はたくさん持っているのも事実です。
その引き出し方を最大限うまくやろうというのが「上司マネジメント」です。
まずは、上司を「一役職人」としてみること。
ここから引き出せるものがあれば、あなたは幸運です。
次に、上司を「一能力人」としてみる。
本人から学ぶべきものが見つかれば、あなたは相当に幸運です。
最後に上司を「一人間」としてみる。
仕事を離れてもいい付き合いができそうなら、あなたはきわめて幸運な出会いをした人です。
いずれにせよ、よい上司なら教官、コーチ、メンター、支援者、師となってくれ、
部下の引き出し方いかんによって、いろいろな資源カードを与えてくれる。
わるい上司であっても、それを反面教師としてさまざまなことを考えさせてくれる。
そんな上司を会社は自動的に付けてくれ、指導料も取らない。
(むしろ給料さえやるという)
―――そう考えると、会社とは何とありがたいシステムではありませんか。
自営で事業を始めた私には、もはやタダで上司を付けてくれる人などいないのです。
上司は「資源」です。
それを最大限活かさない手はない。
そうでなければ自分のキャリアが「モッタイナイ!」。
*本シリーズ記事の詳細は、拙著『上司をマネジメント』を参照ください。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
【賢い部下ほど上司を活かす】
2010.05.22
2010.05.13
2010.05.05
2010.05.03
2010.04.26
2010.04.25
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。